僕はこの物語を読んで、言葉の深度ってやっぱりあると思った。
心の深さはわからない。言葉はそのわからない心へと訴えかける手段なのですが、浅かったり、理解されなかったり、中々届かない。でもそんな壁を越える言葉って必ずあるのです。
深い部分まで届く言葉。
素直であったり、無垢であったりするのとは別に、なんとも言えない雰囲気を纏った言葉が、僕の深い所まで降りて来ました。こういう言葉を使えるって凄い事だと思います。
何も感じない人もいるかもしれない、好みでない方もいるかもしれない、それでもここにある言葉に何かを感じて欲しいです。似たような多くの小説が、語り用いる言葉とは似て非なるモノ。
お勧め致します。
心の深い部分まで刺さるのではなく、じんわりと降りて来る言葉、その得難い空気を味わって下さい。
宜しくお願い致します。