応援コメント

第22話」への応援コメント

  •  朝から憂鬱な親子の会話ですね。川野の人生の足を半分引っぱってるのはこの父親のような気がしてきました。

     創作で書いちゃいけない描写は基本的に無いと思うのですが、物語が客観性を持ってそれを描かなければ暴力の肯定と紙一重になるとも思っています。前回の接触もそのひとつで、アレルギーや飲酒と同様、試すこと自体が危うい行為ではないでしょうか。性被害者がすぐに被害を自覚できないように、接触に伴う感じ方は本人さえ平気だと思いこむこともしばしばです。それほどデリケートな領域に踏みこんで「きっかけは川野」と相手に理由を被せるのはいささか責任転嫁に感じます。

     部位や衣服の比較をしたいのはやる側の好奇心にすぎず、やられる側の感情を無視していい理由にはなりません。川野は実験マウスではないのだから。本人が言葉と表情で「無理」と訴える行為を「これは?これは?」と自分の気のすむまで続けるのは、文字通り無理強いでは。「お試し」という認識もやる側のマイルールで、やられる方はお試しも本番もなく一度踏まれることに変わりありません。まして胸は「プライベートパーツ」ですよね。これがアリなら男性が女性に「股間を触ってみて」と要求するのも罷り通るのでしょうか。

     独善的な積極性や傲慢さは人間らしさでもあるので、それ自体の描写はいくらあってもいいんです。﨑里ちゃんの他人をケアすることで自分を満たそうとする依存気質っぽさも人間らしくて非常に面白いです。ただ、その暴力性を「物語は」どう解釈して読者に提示するのかな、という点が気になって。
     矢野くんの時と同様、また「背中を押してあげた」的な優しさとして押される方の負担がもみ消されるなら、この物語は「押しの強い人が押したもん勝ち」の世界のように思えます(押される側の川野が語り手なので、尚更そのズレが目立って物語に没入しきれないのかもしれません)。

     「セックスを期待している」と感じさせるのも、主語は﨑里ちゃんではなく「物語」です(彼女にその意図がないのは文脈から分かります)。言い換えれば、作者がこの先の展開で性行為をさせたいからこのシーンを入れたのかな、と。
     矯正施設には自ら望んで入所した当事者も多くいたことはご存じでしょうか。自らの意思で「フツー」にこだわった彼らが、善意の “セラピー”を受け、結果どんな末路を辿ったかも。この物語は一見「性的少数者の悩み」にスポットを当てているようで、本当に描きたいものは別にあるような気がします。なんとなく、生殖・女性・血縁……この辺りに関係するのではと感じていますが、そこはもう少し読み進めないと分からないですね。

     文脈から分かる(偉そうな言い方ですいません)で思い出しましたが、前作で川野が矢野くんを想っている描写はきちんと読みとれていましたよ。むしろあの視線等の描写だけで充分だったのでは、と思っての最終話のコメントでした。どこかで追記しなければと思っていましたが、作者さまの筆力不足と誤解させていたら申し訳ありませんでした。

    作者からの返信

    小葉さま

    こんにちは。拙作をお読みくださり、どうもありがとうございます。小葉さまからのコメントには自分に足りぬ気づきをいつもいただいています。返信が遅くなり、失礼いたしました。

    ここでの竹史との会話は章にとって明るい気持ちになれるものではありませんが、この数話先で竹史から告げられる言葉に比べればまだましかもしれません。そこで、竹史のこだわりが川野の足を引っ張っているということが、より鮮明になります。

    いろいろな作品を読み、物語が客観性を維持する重要性は感じてきたつもりでした。物語のスタンスの偏向に、読むのが苦痛になる経験もありました。でも、読むことと書くことは異なっていたのか、あるいは、私の感じ取り方は甘かったということなのでしょう。

    同時に、客観性とはいったい何かと疑問を持ち、悩んでいるのも確かです。いまだ答えのでない問題から目をそらし、立ち位置を示さぬまま物語を読者の目の前に広げたというのが正しいのかもしれません。

    接触を試すこと自体が危うい行為と言い切るのには、やや疑問を感じます。それは、白か黒か、はっきりとしたものではなく、連続的なものではないでしょうか? 人や場合によって意味の異なりうる繊細な問題ではないかと思っています。だからこそ、もっと気を付けて描くべきであると反省してもいます。

    物語がセックスを期待させる流れになっているのは、実際そうでしょうね。川野には子供のいる家庭を持つという強い願望があり、しかも、子供は普通に作りたいと希求しています。﨑里ちゃんと結婚するなら、彼女とセックスをしなければならなくなります。

    コメントをありがとうございました。

  • うん、食事のシーンは安定で生唾が出て来ますね!それに朝からカラダに良さそうな和のモノが揃っていてほっこりします。

    反して川野君の闇(?)は深まるばかり!
    遼平君が何らかのカンフル剤になる・・・ってことはないですかね・・・?
    早く彼の心からの笑顔が見たいです。

    作者からの返信

    北川聖夜さま

    こんにちは。コメントありがとうございます~

    朝食からこのボリューム(笑)。作った分だけ、食べる食べる。川野の母ちゃんそれにくるみ、侮れませんよ。

    川野はもうぐだぐだです。一度考え始めると抜けられないんですね。仕事や何かで頭がいっぱいの時には良いのでしょうけれど、ふと我に返ると、途端に悩みに押しつぶされそうになるという感じでしょうか。

    「早く彼の心からの笑顔が見たいです」

    ありがとうございます。……ん? この先、彼が屈託なく笑うこと、あったっけ (^^;)?

  • 川野君も難儀だなあ。男とも女とも触れ合えないなんて。いつか打開策を見つけて、幸せになってほしいと思います。

    個人的には山椒味の煮抜き豆腐がおいしそうと思ってしまった。肉豆腐に入っている味の浸みた豆腐が好きなので。

    作者からの返信

    変形Pさま

    こんにちは! お読みいただき、コメントまでお寄せいただき、ありがとうございます。励みになります。

    はい、触れ合えないというのは悩ましい問題です。しかも、男女問わずとなると、もはや手のつけようがないように思えますね。

    肉豆腐のよく味の浸みた豆腐、これからの季節に恋しくなりますね。豆腐料理は『豆腐百珍』の料理に着想を得ています。


  • 編集済

    おはようございます。

    「﨑里ちゃんがあえて竹史に目をやらないようにしているのに気づいた。それがかえって﨑里ちゃんの思いを浮き立たせていて」

    崎里ちゃん。
    ……忘れることはない想い、なんですね。

    「落ち着かない気分になった。」
    川野や。それは崎里ちゃんが父親に恋慕していて、駄目だよ、という気持ちなのか、崎里ちゃんに執着が生まれてきていて、自分の父に嫉妬を覚えたのか。
    どっちかなあ。
    ……まだ、川野本人にもわからないくらいの、混沌とした「落ち着かない気分」なのかな。

    まあ、川野は、母親とくるみちゃんに「既成事実」「手を出した男は責任とれ」と思われてそうですね。

    作者からの返信

    加須 千花さま

    こんにちは。いつもコメントをありがとうございます!

    「崎里ちゃん。
    ……忘れることはない想い、なんですね」

    はい、川野に負けず劣らず、好きになったらひたすら思い続ける﨑里ちゃんです。ときに困ったものです。

    「川野や。それは崎里ちゃんが父親に恋慕していて、駄目だよ、という気持ちなのか、崎里ちゃんに執着が生まれてきていて、自分の父に嫉妬を覚えたのか」

    川野はこの段階では﨑里ちゃんに何らかの思いを感じるようになっているものの、﨑里ちゃんの気持ちが 章<竹史 であるのがはっきり感じられていたので、自分のことを彼女の恋人とは思えません。よって、「父親に恋慕するなよ~はっはっは~」と余裕をかますことはできず、ひたすら父ちゃんに嫉妬する、という図式かな、と思います。

    母ちゃんは章が同性愛者であることを知っているので、内心、「ま、良いおともだちなんやろ」と思っていますが、くるみは知らないので、完全に兄を見る目が変わってしまってますね(笑)。

  •  おはようございます。

     明太イワシおいしいですよね。考えた人は天才じゃないかと思います。
    あれって今なら関東地方でも売ってるんですかね?私がいた頃は見たことが無かったように思います。

     今は晩婚化していますが、昔は特に女性は24歳までに結婚したほうがいい…クリスマスケーキなんて事が言われてましたが、今や完全に異世界の話ですね。

     結婚はパートナーシップと考えれば、色々な形があってもいいんじゃないかと個人的には思います。保守系の人には怒られるんでしょうけどね。

    作者からの返信

    十三岡繁さま

    こんにちは。いつもコメントをありがとうございます!

    明太イワシ、かつては関東ではメジャーではなかったのですか。私は横浜に来てから始めて食べました(^^;)。福岡発祥なのですね。明太子の加工品だから当然と言えば当然でした。しかも、名前は「いわし明太子」だった。こっちが正式名称なんでしょうね。

    「今は晩婚化していますが、昔は特に女性は24歳までに結婚したほうがいい…クリスマスケーキなんて事が言われてました」

    ありましたね。そういう時代。いまだと二十代前半での結婚は早いなあって感じですね。ただ、計画的な院生さんのなかには、修士あるいは博士課程のうちに結婚する人がちらほらいるので、﨑里ちゃんもそういう部類かともとらえられます。

    「結婚はパートナーシップと考えれば、色々な形があってもいいんじゃないかと個人的には思います」

    このように柔軟に考えてくださる人がどんどん増えるとよいなと思います。