第36話 仮の最強、神算の毛利、謎のメッセージ、異変

 神崎は無限を極めたと言ってもいいだろう。


 それでも、神は50%の力で対処している。


 ◯◯◯ヂシュートのように、パスも先にできれば、無限にさらなる磨きがかかる。


 しかし、それはルール上でも難しい。


 シュートは最高点を到達してから触ると反則になる。


 同じ要領でパスをしたとしても、地中でカットされては意味がない。


 それが常識的な話だ。


「な、なんだ!!? これは!!? 神崎選手からパスの残像も無限に見えるぞ!!?」


 それだけではない。


 すべてが異次元を行き来している。


 最早、ボールが生きているかのようだ。


 ボールは投げたら落ちるだけ、そんなボールが左右自在に動いている。


「それがどうした?」


 ボールが消えた。


 神の力は万能、一瞬にしてボールは神の手の中へと吸い込まれる。


「貴様がどれだけ無限を極めようと、神の前では意味がない。そして、ボールは消えて、リングの上に現れる。」


 神の手のひらからボールが消えればリングの上からボールが現れて落ちるだけ、それで得点になる。


「き、決まった~~~!!? いや、こ、これは!!!?」


 実況がゴールを宣言する。


 誰しもが神の得点を疑わなかった。


 しかし、言いとどまる。





「ば、馬鹿な!!?」


 そう、ゴールの決め手などいな。


 神がボールを消したときに神崎はなにかをしてボールを止めた。


 上杉の流水の極意があれば可能だろう。


 神崎にはそれがない。


 どうやって止めることができたのか?


「神崎、貴様がここまで抗ってくれるとは………」

























































「あぁ、そうだ。俺はチームを練習させて頑張ろうとしていた。しかし、ワンマンプレイヤーだった。お前は最強だ。だが、俺にはチームがある。チームが俺を高めてくれた。お前は己の能力を高めたのか? 信じられるチームがいるのか? 俺は、何にも縛られていない。くだらない税金や無能な上司、肩書だけの上級国民様や口先だけの小人、馬鹿げたN◯Kや破綻してる年金制度、生きてるだけで外でしか無い老害、そんなくだらない国を変えるほどのチームに出会えた。お前らはクリスタルバスケを優勝して何を願った? 俺達が負けられない理由は世界を変えるためだ。」


 そう、なぜ、神崎が神の技を止めたかと言うと、自分で止めたということだ。


「なぜ、攻撃をやめたのです!!?」


 毛利が疑問に思えば、神崎はこんなことを聞いてくる。


「………今、何試合目だ!!?」


 まるで、この世界に居なかった。


 いや、この世界に居たというべきか、そして、手の平から浮かび上がる『文字』、そこには、こんなメッセージが記されていた。


『これ以上、神を追い詰めるな!!? 200点差で負けることになる!!』


『神に悟られるな!! すべてを明かさず忠告する!! 別の道を探せ!! 今すぐ!!』


 なぜ、こんな文字が手の平から浮かび上がってくるのか?


 神崎は◯◯◯◯◯◯に目覚めた代償だと錯覚した。


 だが、それは錯覚などではない。


 浮かび上がる文字も真実であることを知らなければならない。

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