海に面した地域では怪異は海からやってきます。離島もそう、そしてここ高知県の漁村でもそう。古い因習は現代でも理由もなく守られているものです。漁村出身の主人公は都会の大学で学んだ理知的な人物。古い因習を破る、とあるロジックを思いつきます。一人古い地蔵堂にこもって怪異を待つのですが、はたして彼の知恵は漁村の古いタブーを解決することができるのか……主人公の発想は良かったのですよ、ああその手があったかと。そう感心した直後にやってくる仕掛けが面白い。必読です。