第10話 嘘告⑩

翌日の朝になり、俺は気分が良かった…これで霧雨に一泡吹かせることができるかも知れない!!と思っていたからだ。


テストの方は順調に終わってきているからほとんど心配しなくても大丈夫だろう…一応妨害されないか確認しながらテストを受けているが、妨害を受ける心配はほぼないだろう。なぜなら、このクラスだけ先生が2人も常時見回りしているんだから…


とりあえずテストのことは置いといて、今日は霧雨と約束をする必要がある…電話でも、口頭でもラインでの連絡でも構わない…それらの内のどれかを使って、霧雨と遊びに行く約束でもつけないと俺の計画が始まらない…


しかし、嘘告をする相手を俺にした女だぞ?もしかすると本気で嫌っているのかも知れないからその時は計画を変更する必要があるな…



そして俺は学校へ行く準備をして、家を出た…家の外はすでに日差しが照りつけていた。


「なんでこんなに暑いんだろうな〜日本ってこんなに暑いもんだったっけ?」


俺は純粋な疑問が口から出た。しかし最近は熱い…平気で35℃を超えてくるし、なんなら40℃を超えるところもあるみたいだ。


「熱いけど我慢しないと…これも全ては今後の俺のため…頑張らなければ行けないな。」





学校につくと妙に視線を感じた。いつもは髪のせいで顔が全く見えないけど、今は髪がないから顔も見えてしまうらしい…皆、俺の顔を見て目をそらすけど、俺の顔がそんなに気持ち悪いのかな?顔は普通だと思ってただけに正直悲しい。


「俺の顔ってそんなにブサイクなのかな?まぁ良いかとりあえず教室に入るとしよう…」


そうして俺は自分の教室へと向かった。教室に入るとここでも視線を感じた。いつも俺が座っている席に向かい、そこに座っていると今まで全く話してこなかった男子生徒に話しかけられた…


「そこは冴橋ってやつの机だから、の君は他の机を使ったほうが良いんじゃないかな?」


「え?転校生じゃないのかい?今まで自分のクラスの人をほぼ全員把握していたんだけど、君みたいな子は居ないと思うんだけど…」


「俺のことわかんないのか?そこまで俺の顔は酷いのか?」


「酷いわけ無いじゃないか!!むしろ女子からはすかれそうな顔をしていると思うよ?」


「そうなんですか…というか本当に俺のことわからないんですか?」


「すまない…本当に誰かわからないんだ。俺はクラスの全員の容姿と名前を知っているが、君の特徴に当てはまる人は居なかったんだ…」


「…」


「まさか冴橋君じゃないよね?」


「そのまさかだよ…俺は冴橋ですよ!!どうして気づいてくれないんですか…」


「済まない…だが、正直俺以外の人もびっくりしていると思うぞ?」


俺が周囲を見回すとびっくりしているような人が多かった…そしてその中には、霧雨も居た…


「そうですか…今まで髪をずっと伸ばしていたので、印象悪かったんですかね?」


「そんなことはないよ。ただ、すこしくらいな〜って感じたことがあるくらいで、君のことを悪く思っている人は個々にはいないと思うよ。安心してくれ」


「そうですか…」


俺は気づかれないように周囲に目を向けると、数人の女子が動揺しているようだった…彼女達はいつも霧雨と一緒に居るから俺にしようとしていることについて知っているはずだ。多少罪悪感でも抱いてくれるなら嬉しいんだが…


まぁ罪悪感を抱いて謝罪をしてきたとしても許すつもりはないけどね?


俺はそう考えながら、霧雨とどうやって連絡をするべきか考えていた…彼女から話しかけてきてくれるのが一番楽なんだが、彼女が話しかけてくれるとは思わない…


だから、俺はスマホを取り出して、ラインで彼女に連絡をすることにした。この朝の時間帯なら、彼女も連絡を返してくれるだろう…











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細かい情報は将来的には開放する予定なので安心してください!!


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