第9話 嘘告⑨

俺が彼女に対して最も効果的だと考えられる復讐方法を思いついた…それは、好きにさせてから突き放すという物だ。そのためには少しばかり自分を変える必要がある。俺の現在の容姿は、太ってもいないが痩せているわけではなく、顔が良いわけでもない…


休日の時の服のセンスだって妹曰く、壊滅的らしい…だから先ほど紹介した復讐をするために妹を頼るしか無いかもしれない…同年代に友達と言えるような女子は居ないから、信頼できて俺の事を理解してくれている妹なら、聞いてくれるかも知れないな…



後日、俺は妹に最近の服のトレンドについて聞いていた。妹もあの事件から立ち直ってきているのか、最近は小学生の時のようにクラスの女子と遊びに行くことも増えていた…


「お兄ちゃん急にどうしたの?服のことについて聞くなんて…まさか彼女でも出来たの?」


「う〜ん…そうとも言えるのかな?」


「それなら私に任せてよ!!後、お兄ちゃんはその長い髪をどうにかしないとダメだよ!!」


「そんなに長いとは思わないんだけどな…だってお父さんだってこれくらいだっただろ?」


「お父さんは、髪を後ろにまとめてたでしょ?お兄ちゃんは後ろにまとめているわけじゃないから、どうしても、暗い感じがするんだ〜」


「なるほど…髪に関しては切ってもらうか」


「いい所あるから教えてあげるよ!!私がお母さんに連れて行ってもらってた所の美容室でよければ…」


「美容室か〜俺は今まで行ったことがないから正直何も分かってないぞ?大丈夫かな」


「大丈夫だよ!!私もそろそろ髪を切ってもらいたかったし、一緒に行こう?」


「そうだな…何か帰りにでもかいたいものあるか?あるんだったらお兄ちゃんが払ってあげるから遠慮なく言ってね?」


「うん。でも、お兄ちゃんに迷惑はかけたくないから…」


「まだ中学生だろ?辛い事もあったけど、これからはそれを乗り越えていかなくちゃいけないんだ…失うのが早かったと考えれば、少しは楽になるかもね」


「お兄ちゃんはお母さんとお父さんのことを、どう思ってたの?私は、お父さんのことはいつも頼りになるし、居てくれるだけで安心感があって、困ったことがあれば助けてくれて優しいって感じで思ってたな〜」


「俺もだよ。父さんも母さんも人に恨まれるようなことをしてこなかったから、友だちが多くてびっくりしたな…葬式の時に沢山の人が来てくれたのは、今でも覚えているよ」


「私も覚えてるよ…沢山の人が来てくれて一緒に泣いてくれたよね」


「俺は父さんのことも母さんのことも好きだったし、燐火と同じで父さんのことをいつも頼ってたかもね…旅行とか行くときも全部父さんが最終的には準備してくれてたから、そばに居てくれるだけで安心できるような人だったな…」


「それじゃあ、お母さんは?お兄ちゃんにとってお母さんはどんな人だった?」


「そうだな…俺にとっての母さんは、心から信頼できる人って感じかな…間違ったことをしたら、それを咎めて止めてくれる。正しいことをすれば褒めて伸ばしてくれる。そんな母さんだったから、俺は無条件に信頼できるのかな?って今でも思ってるよ」


「私もお母さんのことは好きだったな…」


昔の思い出を兄妹で語り合うのは有意義な時間だった…あの時教室で話を聞かなかったら、俺が悲しむだけですんだんじゃないかな?こうやって兄妹で両親のことについて話したりして、楽しいと思える時間をもっと作ったほうが良いはずなのに…


』…そうとも取れるような発言を残していった彼女は、こういう経験をしたことがあるのだろうか?それとも、一人の意見として俺に言ってきただけなのかさっぱりわからないが、彼女にとっては復讐は時間の無駄なのかも知れない…


でも俺にとって復讐をするのは、でもないし、でもない…




でもせめて妹と居るこの時間だけは、復讐なんかの、くらいことを考えていたくない…でも、妹は一時期は俺よりも取り乱していたし、泣きまくっていたのにどうしてこうやって落ち着いて生活をすることができるようにまで復帰することが出来たんだろう…




その後俺は妹に連れられ、美容室に連れて行かれた。出来上がりは素晴らしく、自分自身でも本当に俺なのか疑うレベルのものだった…これなら相手に暗い印象を与えることはないだろうから、復讐を進めるには良いんじゃないかな?


まずは気が進まないけどあいつとまた仲良くする必要がある…それで相手から『よりを戻して欲しい』みたいな感じのことを言わせたそのタイミングに拒否して、嘘告のことを詰めれば完璧だ。これなら暴力もしていないし、通報されて妹や校長等の学校の方にも迷惑をかけることはない…



そもそも、俺の事を馬鹿にした君が悪いんだ。だから、相応の報いを受けてもらわないとこちらとしても気がすまないんだよね…


俺は明日からのことを考えながら、妹に連れられ色々な所を回った…外を歩く機会は学校に行く時以外ないから、新鮮で楽しかった…








今日も見てくれてありがとうございます!!


皆さんからのコメント随時お待ちしております!!なるべくコメントを返そうと思っていますので、感想なんかを書いていただけると幸いです!!


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殺人鬼に恋した女子高生

https://kakuyomu.jp/works/16817330660613916378/episodes/16817330660665494728


カクヨム甲子園用の作品です!!ぜひ読んでいってください!!


細かい情報は将来的には開放する予定なので安心してください!!


それでは深夜にお待ちしております!!ぜひ来てください!!

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