第8話 嘘告⑧

霧雨は日に日にイライラしている気がする…特にあの古河先輩だったかな?が退学処分を食らった挙げ句、警察に捕まったわけだからな〜そりゃあ必然的にイライラするだろうな。


流石に霧雨がイライラしているのを理解しているのか、いつも彼女の周りにいる女子達は話しかけにくいようだ。でも男子と話す時はいつも通りの表情で居るからか、男子達はあまり霧雨の変化に気づいていないようだった。でも一部の彼女の熱狂的なファンとも呼べる人達は、異変に気づいているようだった…


そして、熱狂的なファン達は霧雨の機嫌が悪い原因が俺にあると踏んだようで、俺の事をずっと見てくる…気がする。


そしてつい先程、その熱狂的なファンの内の1人が俺に向かって話しかけてきたのだ。




「放課後に校舎裏の方に来てほしいでござる!!来ない場合は、悲しいでござるが強制的に連れて行くでござる!!」


「はぁ…どうして校舎裏にこうも呼ばれるのか…」


「拙者は校舎裏に絶対にいるから、放課後になってから10分以内に来てくれなかった場合は大声で捜索するでござるから覚悟するでござる!!」


「大声で創作されるのは嫌だな…そもそも、君はどうして俺を校舎裏に呼び出そうとしているの?理由を具体的に教えてほしいな?具体的に教えてくれればさ、俺もいかなくちゃって思うからさ?」


「それは秘密でござるよ!!」


「まぁ君がそのつもりなら、別にいいか…」


どうせ、変なふうに暴言を吐かれるんだろうな…俺の予想では、仮に俺が激昂して殴ったりでもしたら、それを動画にとって、ネットに投稿したりする!!みたいに言って、脅すつもりなんじゃないかと思っている…だが、俺も馬鹿じゃないから対策をすることにした。俺もスマホの録画機能を使用して、胸ポケットにでも入れておけばいいだろう…




そして、放課後になって俺は約束通り校舎裏に来ていた。そこには数人の男子生徒が立っていた…この感じ、この前もあったから嫌な予感がするな…


「それで君たちはどんな用があって俺を呼び出したわけ?」


「拙者達は、霧雨様が好きなのでござる!!だから、拙者たちに彼女が好きなものを教えてほしいのでござる!!」


彼の事を否定するわけではないけど、流石に無理があるというか…なんというか彼らからは邪な感じがにじみ出ているから仲良くなるのは難しいと思うな…正直拍子抜けだな…


「え…霧雨のことを知りたいのか?」


「そうでござる!!先程は脅すような形になってしまって申し訳なかったでござる!!」


「脅すような形になったのは許してあげるよ…でも、脅すような物言いは今後は控えたほうが良いよ?霧雨のことを振り向かせたいならさ?」


「そうでござるか!!それでは今後は脅すような物言いは止めるでござる!!」


う〜ん…俺的には、『おでの霧雨たんになにをしてくれたんだ!!』みたいな感じで殴られると思ってたのに…これじゃあスマホの録画機能を使っていた俺が、馬鹿みたいじゃないか…


「貴殿は霧雨様がどうしてイライラしているのか分かりますか?我々では関わることすら出来ないので…教えてほしいでござる!!」


「そうだな…もしかすると、この前退学させられた中に想い人でも居たとかか?」


「拙者達が知っている情報では、霧雨様と貴殿が付き合っているという風に聞いているのですが…実際はどうなんでござるか?」


「付き合っていたのは事実だけど、途中からおかしくて俺の中ではすでに彼女としてみれてないんだよね…それに、君たちが霧雨を推すことに関してなにか意見を言うわけじゃないけど、人を選んだほうが良いぞ?」


「大丈夫でござるよ!!拙者達はそこまで馬鹿じゃないでござる!!成績に関しては学年でも上位に入っているのは知っているでござろう?」


「確かに上位の成績を取っているのは知ってるけど…まぁ俺から言うことはないか…」


「今日は本当に申し訳なかったでござる!!あんな形でここに来てもらってしまって…」


「大丈夫だよ。俺的には呼び出されて、霧雨たんになにをしてくれたんだ!!みたいな感じで俺の事を掴んでくるかと思っていたから…」


「拙者達はそこまで馬鹿じゃないと言ったでござろう!!普通に考えて暴力なんてするのは馬鹿がやることでござる!!一方的にする暴力は気持ちいいものなのかも知れないが、それをした時の代償を考えれば普通は暴力をしようなんて思いもしないでござろう…この前退学させられたあいつらは、暴力が原因らしいですね」


「たしかね…」


「とりあえず今日はありがとうでござる!!これからはできれば友達として、一緒に過ごしてくれないだろうか!!」


「良いよ…それじゃあ俺は家に帰らないといけないから、ごめんね?」


「大丈夫でござる!!」



口調や、格好等指摘したい所はたくさんあったけど、俺のことを殴ってきたあの古河を含めたあいつらよりかは、今後とも付き合いっていきたいと思った…



でも友達は復讐をする際に邪魔になる可能性があるから気をつけて行動をしていかないとな。それにしても校舎裏に呼び出されて変なことをされると思ってたけど、されなくて良かった…


ヒステリックを起こしたみたいに叫びまくって俺のことを罵るかと思っていたから、それよりかは遥かにマシだった…







彼女の嘘告を明かしたタイミングで、君が嘘告をしてきたことを知ってたんだ?みたいな感じでやるのも良いかもな…でも、それ以上にいい案を思いついた…


この案が成功すれば、面白いことになるだろう。霧雨の事を絶望に叩きつけることができるかも知れないな…


暴力をするつもりは絶対にないから、警察沙汰になることはないだろう…それに妹との時間を大切にしたいから、今後は勉強以外のことも頑張っていかないとな…



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