第7話 嘘告⑦

あの件以降、校長が色々と対策をしてくれたのか担任の先生に目をつけられることは殆どなくなった。


それと並行してあの事件のことについて知ったのだが、その場で捕まった全員退学処分をくだされ、俺のことを呼び出したあの先輩も同様の処分をくだされたそうだ…その後、警察のお世話になったそうだ。


担任の先生も校長に結構絞られたらしく、最近は元気がないように見える…それと以前までは活発に俺の事を、カンニング等の行為をしていたといううわさを流そうと画策していた彼女たちも、流石にカンニングで訴えるのは不可能だと感じたらしくここ一日二日は動きが特に無い…


でも彼女たちの言っていたことを信じるのなら、後3日後には俺を絶望させるために『嘘告でした〜本当に私と付き合えるとでも思ってたのかな?』みたいな感じで言ってくるかもしれない…


「う〜ん…状況から推測するに、俺の事を潰したいならもう少し後に回すんじゃないかな?」


俺はそう考えながら、あいつを電話で呼び出した…すると、あいつはすぐに電話に出た。


『もしもし?』


「やけに早く出たな。びっくりしたよ」


『そうですか…』


「まぁ良い。それよりもこれからお前に一つ調べてほしいことがある。もちろん俺等は学生だし、何よりも犯罪行為をするのはダメだ。君のできる範囲で調べてほしいんだ。」


『分かりました。それで何を調べれば良いんですか?』


「霧雨の周囲にいる女子を調べてくれないか?大体4人位はいるだろう?」


『あの周囲の奴らですか?1人なら完全に知ってますけど…』


「その女は誰だ?それとその女について教えろ…嘘はつくなよ?」


『流石にこういう状況で嘘をつく訳がないでしょう?こう見えても、嘘はあまりつかない主義なんですよ』


「その割には俺の教科書を、何度も何度も勝手に取っていったよな?」


『それは水に流してくれるって行ったじゃないですか!!これからはしませんって!!』


「信用しにくいな〜教科書を破ったりしたようなやつだしな〜」


『酷いじゃないですか!!そんな風に言わないでくださいよ!!』


「わかった…とりあえず教えてくれ」


それから10分ほどについて教えてもらった。彼が知っていたのは桜という女で、様々なことを知っていたらしく多くの情報が手に入った…その中でも良い情報は、いくつかあった…


「これだけの情報があれば十分だ。他の女子についても調べておいてくれないか?」


『良いですよ。周囲の女子を調べておけば良いんですよね?』


「あぁ…今回のように詳細じゃなくても大丈夫だ。」


俺はそう言って電話を切った。ちなみに電話をしていたのは教室で、放課後になっているため生徒や教師はほとんど入らない場所になっているからこうやって電話をすることができる…


「ふぅ…復讐はどうやってしてやろうか」


俺が復讐のことについて考えながら教室のドアを開けるとそこには一人の女子が立っていた。


「ねぇ…さっき復讐とか言ってたけど何に復讐するの?それとも、誰に復讐するつもりなの?」


さっきの電話を聞かれてたか?もしそうだとすると不味いな…というかこの女子は誰だ?


「そもそも君は誰だ?同じクラスには居ないと思うんだが…この教室に何の用があってきたんだ?」


「相良ちゃんに会いに来たんだけど〜流石にもう帰っちゃったかな?それと私の名前は小池だよ〜」


「相良ですか…おそらく帰ったと思います」


「そっか〜ありがとうね」


「そうですか。役に立てたようで良かったです。」


「それで?君の復讐について教えてほしいな〜誰に復讐するつもりなのかな?」


「…」


「復習をすること自体は別にいいとは思うよ?でもさ、後先を考えてないなんて…実に子供らしい考え方だし、後々の自分への不利益を考えたら復讐するのは現実的じゃないよ」


「…確かに復讐するのは現実的じゃないかも知れないけど、それでもあいつに復讐したい」


「…大方霧雨のことなんじゃない?貴方はちょっと前まで、霧雨と付き合ったとかで結構有名なのよ?」


「そうなんですね…」


「彼女は多方面から結構怒りを買ってるからね…もし彼女に復讐をするつもりなら、その人達の力も借りるといいよ?」


「そうですか…ありがとうございます。」


「良いのよ。でももう一度言うけど、復讐をするんじゃなくて自分が今後幸せになる方法を考えた方がいいのよ。そうすれば相手は幸せそうな貴方を見て無性にイライラするでしょうね」


「幸せ?」


「そう…それに復讐なんて考えるのは子供だけよ?確かに鬱憤は晴らせるかも知れないし、スッキリするでしょうね…でもそれは、小説の中や非現実的な世界でのお話よ?この世界で復讐なんてするのは単なる無駄なの。そこだけは知っていて頂戴?もちろん復讐を否定するわけじゃないから安心して?」


「復讐を考えるのは子供ですか…」


「そうよ?だって後々のリスクを考えていないんだもの。リスクを考えられるように慣れば自ずと、復讐がどれだけ非効率なことかが分かるわ」


「でも俺はあいつに復讐したい…俺の事を馬鹿にしたんだ。相応の代償を支払ってもらわないと気がすまない!!」


「自分の手で下したいのは分かるけど司法に任せるのもあるから、冷静さを失わずに行動してね?あなたのせいで私や他の生徒まで巻き込まれるのはごめんよ。」


「それはそうですね。そこは注意しておきます」



復讐で冷静さを保つのは不可能だろうし…どうすればいいのかな?









今日も見てくれてありがとうございます!!


皆さんからのコメント随時お待ちしております!!なるべくコメントを返そうと思っていますので、感想なんかを書いていただけると幸いです!!


小説のフォローや☆での評価をしていただけると嬉しいです!!よろしくお願いします!!


殺人鬼に恋した女子高生

https://kakuyomu.jp/works/16817330660613916378/episodes/16817330660665494728


カクヨム甲子園用の作品です!!ぜひ読んでいってください!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る