第4話 魔法の秘密
「アァァァ...! こっち来たぁぁ!!」
蜥蜴人の爪が青年を切り裂こうとした その時
「導きの加護!」
青年の周りに光の壁が出現し、蜥蜴人の攻撃から守った。
あれは、信仰系魔術...ってことは...
「白雪...いつから?」
青年の後ろにはいつの間にか 白雪の姿が
白雪はニコニコ顔で
「ずっとですよ♪ アリスさんのこと監視するよう言われているので♪」
監視って...やっぱり 教会のお偉いさん方も私のこと色々と疑ってるのかなぁ...
「それより アリスさん 何やってるんですか? 蜥蜴人くらい出方をうかがうなんてせず、食べちゃえば良いじゃないですか♪ あの時みたいに...」
「できない...私はもうアレを使うのは嫌なの...」
光の壁に防がれて、しかも勝手に会話が始まったことにイライラしているのか蜥蜴人はプルプル震えて
「さっきからよぉ...俺を無視すんじゃあねぇ!!」
蜥蜴人は爪で白雪に襲いかかる。
しかし光の壁を破ることができない。
「面倒臭いので、アリスさんよろしくお願いいたします」
まっ...丸投げ!? まぁ、いっか...
「蜥蜴さん 私が相手よ♪
私は火炎球を放つが、蜥蜴人はそれを軽く避ける。
「当たるかよぉ!!」
すばしっこいなぁ...なら これならどうかしらね...
「
魔法陣から私の分身、使い魔『バアル』を呼び出す
「キュー! キュキュー!!」
どうやら、この子 やる気みたい
バアルの姿がだんだん変化していく。
「あれは...アリスさんの 悪魔...」
「OK わかったよ! 行くよ! バアル!!」
私は手を前に出し、詠唱を始める。
「我が底無き欲望を今解放する 顕現せよ我が分身
次の瞬間バアルの周りに複数の魔法陣が出現し、バアルの体を再構築する。
魔法陣が割れ、中から出てきたのは先端に三つ首の狼が付いた杖
「何だぁ? 杖なんかで何が変わんだぁ?」
「それは簡単よ♪ 火炎球!!」
杖の効果により出現した魔法陣は3つ しかも火の玉をマシンガンの様に連射していく。
「貴方に当たるまで射つだけだから♪」
「ンな...アホなぁぁぁ!!」
蜥蜴人は素早い動きで火炎球の雨を数発は避けたが、一度当たると動きが止まり火炎が大量に命中する。
火炎により蜥蜴人は燃え、灰になってしまった。
「師匠ぉ!! カッコいいで...」
僕が師匠の元まで行こうとすると、それをシスター様が止める。
「流石ですね かつてその身を焼いた怨みの炎...恐ろしい威力ですね...」
師匠は僕達に背を向けてこう返した。
「そうだね...あの炎はとても熱いよ...早く死を望むくらいね...」
そう言うと、師匠は箒でどこかに飛んでいってしまった。
「日野渡さん わかったでしょう 彼女と関わると危険だと...」
確かにそうだ 今だってシスター様がいなかったら今頃...
「あの...何でお二人は僕を魔法から遠ざけるんですか?」
シスター様は「はぁ...」とタメ息をついた後
「貴方は色々見ましたからね 教えても良いかもしれませんね...」
シスター様はある一人の魔法使いの...魔法誕生の話を始めた。
時は、15世紀...ある男によって本物の魔法が誕生する
魔法や魔術と言われるものは紀元前からあったとされる。
それらを扱う『魔女』や『魔法使い』も存在していた
しかしキリスト教により魔女狩りが始まった。
それにより、沢山の犠牲者が出た。
その一人が 始まりの魔法使いオズである。
彼は田舎の農村で薬を売ったりしていた。
しかし、魔女狩りの魔の手は田舎の農村にも広がり
彼のその弟子一人が捕まった。
裁判により彼は生きたままその身を焼いた。
彼がその身を焼かれていたその時奇跡が起こる。
なんと炎が彼を避け始め、その炎が周りの教徒や騎士に球となり襲いかかったのだ。
これが彼が起こした最初の魔法
その魔法により彼と彼の弟子は逃げることができた。
そして彼とその弟子は様々な魔法を発見し、そして彼は魔法が当たり前に存在する『魔界』を発見した。
彼は魔界の調査に行く と言い弟子を置いて魔界へ旅立った。 その後彼の姿を見た者はいない。
「これが魔法の始まりのお話です」
「それで僕を魔法から遠ざける理由は?」
「オズはその身を焼かれていた時 炎を操った...魔法と言うのはある状況下で儀式を行うことで習得できるモノだと言われている つまり...」
「魔法を得るための儀式は僕には危険すぎる...ですか?」
シスター様はコクりと頷く。
「解れば もう彼女には魔法には関わらないで下さいね...」
シスター様はそう言うとどこかに行こうとする。
「待って下さい! シスター様!!」
「何ですか? まだ何か?」
「僕をシスター様の元で修行させて下さい!!」
…続く…
最後の魔女 ~Last・Witch~ 安藤ユアム @ayu802
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