放置育成ゲームをプレイしていたはずが

永与しの

第1話

 今になって考えれば、何もかもが不自然だった。


 パッケージに描かれた幻想的なイラストに惹かれて手に取ったゲーム。数年前の作品。そのうえさぞかし人気がなかったとみえる。乱雑に積み上げられた在庫処分品の中から見つけ出したそれを五百円で購入した。

 過度な期待はしまいとログインしたのだが、これがまた。


 内容はというと任意の視点からのプレイが可能なストラテジーゲームであった。

 舞台はモンスター未知の生命体が跋扈する荒廃した世界。モンスターは本能のまま破壊と殺戮を続ける。同時に人類もまた個人情報を可視化に加えモンスターを倒し自己強化が可能。目的は人類繁栄といったゲームである。


 予めキャラクターごとに戦闘職が決まっているわけでなく、レベル上昇時に取得するポイントを自由に各種能力値に振り分けることで前衛、後衛を任意で育成可能。更にポイントは能力値以外に技能や特性等に振り分けも可能であった。


 俺は廃人並にやり込んだ。それはもう周りから退かれるほどに。生活の為にも日中は真面目に働いてはいたが、睡眠時間二時間以外の全ての時間を捧げた。何をするにもキャラ育成や領地経営等について考えていた――――結果がこれだ。


個人情報ステータス

 階位 A(80)[MAX]



【支配領域】

 天空都市 A(80)[MAX]

 迷宮都市 A(80)[MAX]

【民度】

 A(80)[MAX]

【眷属】

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