隣の日常

ほし めぐま

第1話 可愛くない方の壁ドン

私の名前は 藤堂 英命(とうどう えいめい)。

社会人 サラリーマン。

とある会社の経理課で仕事をしている。


私の最近の悩みは…このひとつ。


「ぎぃやぁあああ〜!!!」


「ヨシッ、とりあえず、セージを炊こう!」


壁越しの隣人から響く謎の会話である。

ぎぃやぁあああってなんだ、セージってなんだ!!


必ずと言って今回も申し訳ないが、私は”また”可愛くない。ときめかない方の壁ドンを隣人側の壁に向けて思いっきり、もう、壁が凹まない限り叩き込む。


─ダゴンッ!


騒音の始まりはおおよそ22時30分頃から、

まだ騒いで時刻は朝を迎える前の1時30分である。


「いい加減にしてくれぇ…頼む…頼むから。」


隣の人に…いい加減直接、

明後日の休日に文句を入れに行こう。

そう、心に決めた私はまだ知らない。


この隣人は本当にただの隣人ではなかったのだ。



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隣の日常 ほし めぐま @wataamedokusen

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