立て直し
黒心
A
感動の裏を遡行し弁明を果たさん。
溺れる結果に膝から崩れ落ち、何度何度と大理石を割ろうと試行する。終ぞ割れたのは心だった。経った一瞬の、僅か十分にも満たない地獄列車。生きた心地がしなかった。笑って過ごした全てを竜に蹂躙され、自我逆方向に匍匐する。背中を食われ切ったそうだ。這いつくばるしかない。
偶像崇拝も考えた。でも不十分だ。形は存在するが形としては意味がない。なら、大量の偶然を並べるとよいのだろうか。また違った機関車に惹かれる末路と化す。才能にすればよかった。
夕日が身体に染み込んでいく。後悔を吐き出し、自分の軌跡を見るとなんと無粋なのだろう。ここで涙を流しても慰めてくれる人は居ない。酷だなぁ。二度と見ない同級生のようだ。
嘘っぱち有機思考を繰り返すのはやめよう。無機的な浴槽に浸かっているからそもそも難題だった。
今を諦めて未来すら諦めよう。生きることを継続する苦しさに苛まれるのが活力になってくれる筈だ。猿に負けた気分、感動の裏に虚無を浮かべてなんとか立て直す。
それができたら苦労はしない。
立て直し 黒心 @seishei
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