嫁ぎ先でのほうが幸せになれますわ⁈

最終話 決意

「好き？ソニーが、私を？」

　ライトさんは私（わたくし）の言った言葉を、何度も反芻する。

「はい。そうですわ」

　私（わたくし）は頷く。

「信じられない…」

「迷惑でしたか？」

　突然こんなことを言っても驚かれますわよね。

　そんなことも考えられなかったですわ。

　ただすぐに言いたかったから。

　気持ちを早く伝えたかったから。

「迷惑ではない！」

　ライトさんは大声を出して否定をされた。

「そ、それなら良かったですわ。あの、ライトさん、返事はいりません。それに、婚約破棄をしたいのであればしていただいてもかまいませんわ」

「返事はいらない、のか？」

　本当はほしいけれど、困らしてもいけないですものね。

「えぇ。いいですわ」

「私はそれでは嫌だ」

「えっ、それはどういう…」

「私も好きだ。ソニーが」

　好き？ライトさんが私（わたくし）を？

　ただ伝えたかっただけの私（わたくし）の想いにそんな答えを返していただけるなんて。

　嬉しすぎて、泣きそうですわ。

「ほ、本当ですの？嘘ではないですのね？

　それともこれは夢ですの？」

「本当だ。それに夢ではない」

「う、嬉しいですわ…」

　私（わたくし）の頬に涙がつたってきた。

　その涙を拭うためにライトさんが手を伸ばしてくださった。

「泣かないでくれ」

「これは嬉し涙だから良いのですわ…」

「そうか」

　ライトさんが微笑まれた。

「ソニー、正式に婚約をしよう。そうすれば、ソニーに言い寄る男もいなくなるだろうからな」

「言い寄られたとしてもちゃんと断りますわよ？」

「私が嫌なんだ」

「ふふっ、そうですか」

　なんだか子供らしくて微笑ましいですわ。

「では、よろしくお願いしますわ。これからもお側で支えさせてください」

「ああ。こちらこそよろしく。必ず幸せにする」

「もう充分すぎるほどですわ」

私（わたくし）はこれからの日々を彼と歩んでいく。

辛いことも、苦しいこともあるかもしれない。

ですが、彼となら笑顔で乗り越えられる気がするのです。

　私（わたくし）が見つけた宝物。

　私（わたくし）の優しすぎる婚約者様となら—