第3話
「あんたばかでしょ!」
彼女が怒鳴る
「バカってひどいなあ。これはここでしか買えないんだよ」
「ええ、お客様の言うとおりです。こちらの商品は購入者続出の大変人気となっております」
店員さんらしき人が声をかけてくる
「それにしても高すぎますよね。なんでそんなに高くなるんですか?」
彼女が店員に質問する
「それは作者が監修しているからですよ」
何を当たり前のことを言っているんだろうという感じで僕と店員さんは彼女を見る
「それにお金はあるの?」
「当たり前だよ。このためにお金をバイトしてためてたからね」
胸を張りながら答える
「もっと他のことに使いなさいよ!」
「他のことって?」
「そ、そりゃ貯金したり参考書を買ったり」
なんで真面目なんだろう
「だからこんなの買わなくて映画でも観に行きましょうよ」
「なら一人で言ってきなよ。僕はこの作品を買うから」
僕は意地になって言う
「ああそう。ならそうするわ」
彼女は出て行く
「お客様も大変ですね。あんな彼女じゃ」
「いえ彼女ではないんです。友達です」
「そうでしたか。ですがあんな堅物みたいな人がご友人では大変でしょう。もっとご趣味が合う人と今度は来られたらいいですね」
店員が言ってくる
なんだろう、腹が立ってくる
「あの、僕の友人にその言い方はないと思いますよ」
「す、すみません。ですがこちらの商品の良さもわからないような人だったので」
確かにそれはそうだ
「ですが、彼女はこんな僕と一緒にいてくれる数少ない友人なんです。そんな人を馬鹿にしないでいただきたい。やっぱり買うのは無しにしてください」
「おまちください、お客様。今しか買えませんよ?」
店員が慌てて聞いてくる
フッ
「おかげで目が覚めました。そちらの商品はそんな価値はないと思います。僕にとってそんなものより友人の方が大切だと思ったんでいらないです」
僕はそう言って出る
すると彼女は向かいのカフェにいた
「さっきは悪かった」
「なにが?」
「確かに言うとおりだ。あんなものに価値はない」
「フン、わかればいいのよ」
彼女の機嫌が良くなる
「許してくれるか」
「仕方ないわね、その代わり映画に付き合いなさい」
「ふ、お安いご用だ」
「あと少しで大切な友人を失うとこだったよ」
「・・ねえそれって私のこと?」
「他に誰が?」
「あっそ」
彼女の歩きが早くなる
「急にどうしたんだよ」
「知らないわよ」
僕たちは映画館へと向かっていく
***
読んでくださりありがとうございます
こちらの作品はフィクションですが、実際に僕が原画展に行って思ったことも書いてあります。・・・・ちなみに作中での質問は実際に僕がしたらそのように返って来ました笑
金銭感覚がバグってるオタクな僕と堅実な彼女 青甘(あおあま) @seiama
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