放課後の部活
ゴローさん
競技かるた
「起立!気をつけ!礼!」
「さようならー」
学生たちの気怠げな声が教室の中に響く。
「ごめん、どいてどいて!」
「急いでるからごめんねっ!」
そんな中、2人の女子がその教室から落ち着きなく飛び出してくる。
そしてそのままの勢いでたどり着いた先は……「第二会議室」
その重苦しい扉を力強く開けた。
「すいません!少し遅れました!」
「ごめんなさい」
「わかったから。そんなに焦らなくても良かったのに……」
中からは優しそうな女子生徒の声が聞こえてくる。
その女子生徒の言葉を聞いて、廊下にきちっと立っていた二人組はホッとしたように、背中を丸くしながら部屋に入っていく。
10分後。
一緒に部屋に入っていった二人の女子生徒は、部屋の中で向かい合うように座り、互いに睨みをきかせあっていった。
集中が部屋の中の空気を含めたすべてのものを支配した。
目の前には3枚のカードのようなもの。
その中で、先程部屋の中から聞こえた――ただし今はどこか冷たさをも含んでいる――声が響いた。
「こころあ」
刹那。
パシッという乾いた音が部屋の外にまで響いた。
放課後の部活 ゴローさん @unberagorou
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