Reality barrage Gamers外伝〜Sky Scramble〜

RR021 大きな湖

*＞＞アリア視点

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

サイドクエスト:こけー？

クリア条件:鳴き声の解明

参加者:全員

報酬:？

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

チェインクエスト:消えた資源

クリア条件:消えた資源の発見。奪還。

参加者:任意

報酬:？

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ふーん。私の寝てる間に色々進んだようですわね？」

　時刻は8時程を指していた。朝からゲームというのも少し悪い気がするが今回はイベントだが仕方ないのですわ。

　あ、ちなみにRBGスカイスクランブルの時間は中央闘技場と同じ時刻を刻んでいる。つまり普段と何も変わらない時間感覚でプレイできるということ。

　その点中央闘技場は有利ですわね！

　さて、状況を整理しようと思う。ログインと同時に出てきたクエストメッセージからしてこのイベントはちゃんと進んでいるらしい。

「でも問題はこれですわね」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

サイドクエスト:水源確保

クリア条件:川上にある水源を探索

参加者:アリア 報酬:水の確保、特定素材解禁

クリア状態:クリア

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

　2日かけて到達した川上。

　何故か道中ネコのモンスターに襲われ、さらに地図が所々隠れてしまい迷子になったり、鳥とネコが喧嘩していたのに巻き込まれたり…

　更には川上が複数に分岐し、何故かハズレがあるという…

　とにかく苦労してたどり着いた水のわき出る水源であろう大きな湖に到達いたしましたわ！

　 そして湖は濃い霧が被さり、対岸は真っ白で何も見えないくらいに怪しい雰囲気を醸し出している。

｢特定素材はここにしか生えてない薬草…。「霧吹草」どうやって使うか検討もつかないですわ」

　そんなメインイベントから少離れた私は1人で辺りを散策したあと、用途も不明の足元に咲く白い花を拾う。

ーーーー

霧吹草

カテゴリー:素材

ジャンル:植物

概要:水が綺麗で豊富なところに咲く白い花の植物。花弁はいつも湿っており葉からは霧を少しづつ散布している。食用可能。

ーーーー

「そりゃポーションの類いだろ？俺の専門外だが名前からして霧状の回復薬とかじゃないのか？w」

「ああ、なるほどですわ…。なんでいるのよ！！！？」

　 霧吹草を観察しながら呟けば自然と帰ってきた回答に納得したのもつかの間、はて？自分は一体誰と会話したのか。

　何故かいるハルトにびっくりして咄嗟に反応してしまいましたわ…

　 ハルトはそんな様子を小馬鹿にするような憎たらしいニヤけ顔を継続したままさもありなんと答えた。

「まぐれだっつの。なんだよ？お前。ストーカーとでも思ったか？w安心しなw、お前にストーカーが着くほどの価値ねぇよw」

「別にそこら辺は心配してないですわ！というかなんですの？私そんなにブスでは無いですわ！！…ないですわよね？ないですわッ！！！」

　そうして図らずして合流してしまったこいつと1分かそれとも数分か。つまらない言い合いを繰り広げた。このバカハルト。放っておけばすぐッ…

　おもむろにその場から飛び出した！！ 視界の端。ちょうど湖の上に浮かぶ赤色。

　霧の中うっすらと見えたそれに私達は同時に反応し我先にと飛び出した。

　そこにあるのは赤のオーブ。

「どけwあれは俺のだ！」

「嫌ですわ！！私だって赤は欲しいのですわ！！」

　そう言い放つと、ほぼ並走していたハルト目掛けて水弾を放つ。

「うおっ！？お前普通に攻撃してくるのかよ！？」

「そもそも味方でもないですわッ！！」

「ならこっちも遠慮しねぇからな！？w」

　先制攻撃も虚（むな）しく、あっさり回避して見せたハルト。

　仕返しとばかりに剣を構え斬りつけてきた。

　それを回避しつつ弾幕をハルト目掛けて差し向け続ける。ハルトも弾幕を回避しながら前に進むが剣では太刀打ちできないはず。

「クソッ、こうなったら【瞬会】！！」

「んなッ！！？！？」

　一瞬にして私よりも前に躍（おど）り出たハルト。弾幕の壁を通り越してその先に行かれてしまった。そしてハルトが赤のオーブに触れる。

「あーーーーーーーー！！！」

　目の前で横取りされた…グッ

「はっは！貰ったぜ！！w相変わらず魔弾に頼りすぎなんだよw」

　ハルトはニヤニヤしながらこちらにこれでもかと煽（あお）る。

「ぐっ…」

　レアな赤のオーブなど滅多にお目にかかれない。それを目の前で、寄りにもよってハルトに取られてしまった。

「ま、さすがに気が引けるから次は譲（ゆず）ってやるよw。それにこのイベント中はレアなオーブもそこそこ出やすいみたいだぜ？」

　ハルトはニヤニヤしながら私に告げる。 償（つぐな）いのつもりか！？

「つ、次は絶対貰いますわッ！！絶対ですわ！」

「おーおー、わかったって、オマケに他のやつに取られないように護衛してやるよw。それでいいだろ？」

　ハルトの提案に渋々怒りを半分くらい沈めた。半分は今度殴って返そうと思う。

　 そうなればオーブ探しでもしようと動き出した2人。現在湖の真上。あたりは相変わらず濃い霧に包まれているこの場所で。

　進めど進めど何故か湖の端が見えない。

「あれ？」

「確かこっちだったよな？」

「そうですわ…もうとっくに…」

　進めど進めど全く見えてこない陸地に困惑する。

「おい、これはなんかイベント踏んだか？」

「ですわね…。上に抜けてみるのもありですわ」

「…いや」

私の前に現れたクエストは、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

チェインクエスト:湖のほとり

クリア条件:湖の謎を調べること

参加者:アリア、ハルト

報酬:？

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2人を霧の中で閉じ込めた。