まるで大河ドラマ!本格的歴史小説の傑作

偶然タイトルが目に止まり読み進めてみると、勢いのあるストーリー展開に引き込まれて一気に完読してしまいました。
作者の紹介文の通り、謙信への愛に溢れた小説です。
軍神と呼ばれた謙信を強調することなく、一人の生涯を丁寧に描いています。
圧巻は、新たなストーリーでの川中島の合戦シーン。相当のボリューム且つ細やかに表現されていました。
七尾城の攻防から手取川の合戦までの展開も見事です。
ライバルの信玄や氏康、信長の視点からの描写も読み応えがありました。
家来衆や忍びとの絆や別れのシーンでは幾度も涙をそそられましたし、生涯唯一の想い人との儚い恋模様も切なく、何とももどかしい気持ちに。
謙信の遺志を継ぐことになる景勝や兼続のことを、愛情深く見守る晚年の謙信も素敵です。
プロローグでは気持ちが昂ぶり、エピローグでは清々しい気持ちで読み終えることが出来ました。
とにかく面白い!の一言です。

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