第2話 物語の前で助かったけど、メイドの評価は最低なようです。

俺は搾りカスのような声でメイドのシンディに呟く

「く、クーリングオフとかはないよね?」


「は?」

シンディからは女性からは到底出てくるとは思えないドスの聞いた声が返ってくる。

そ、そうだよね!ここ異世界だもんね?クーリングオフなんて言葉は存在しないもんね?


分かってる、分かってるよ!シンディ、君から見たら俺は悪逆非道のご主人様にしか見えないもんね!


「・・・その震えた小動物のような態度が気に食わない、ぼ、僕の身辺の雑務をさせた方が良いだろう、的はまた立派なものを僕の審美眼で選ぶとするよ」


シンディはその言葉に一瞬驚き少女のに一度目をやる、その目は姉妹を見るような優しい視線だった、けど俺を見つめなおした時にはそれが嘘のように感じる目線だった、あれは家畜を見る目だ、俺はすでに人として見られていないのだろう。


「そ、それよりもお前、名はなんだ?いつまでもお前では呼びづらいだろう?名を申せ」

アルノーツの声に驚いている、発言をしていいのか迷っているようだ。


「そなたは人間であろう?口があるなら申せ、名はなんだ?」


「ちっ・・・いえ、失礼いたしました。急な喉の痛みが来てしまいましたので」


「お、おう・・・そうか」


シンディさん?!今あなた舌打ちしませんでしたか?!怖いよこの女性!転生してそうそうやっていける自信なくしそうだよ?!


「ミ、ミーツと申します・・・数え年は今年で7つになります」


「僕と年齢は同じか」


同い年、しかもお前アルノーツお前初恋の相手を痛めつけようとしていたのか?!

恐ろしすぎるぞこの7歳児!!


「アルノーツ様、お父様にはどのようにお伝えしましょうか」


「アルノーツ様は先日、悪趣味な目的でプレゼントが欲しいとおっしゃっておりましたが先ほど人が変わったように意見を替えられたものですから・・・従者として勤める準備がございません、それにここからはわたくしの独り言になるのですが・・・今回の件、本当に憂いておりました。結果次第では嫡男としての、次期当主として教育してもよいものだろうかと」


まぁそう思うのは無理もないだろう、俺もそう思う。俺の親父なら冗談でも本気でぶん殴ってくると思う。


「そ、そうか・・・相分かった、準備はそう急がなくてもよい、そもそも僕のわがままだ、今回の話は僕から伝えるゆえ、シンディそなたはミーツの支度をしてやってくれ・・・それから」


僕はそう言い終え立ち上がり


「今からお父様と件の話をしてくる、その間に貴女の準備を進めておいてほしい」


「かしこまりました、ここだけの話アルノーツ様の事を考えると胃痛が激しくなるご様子でしたので・・・あぁそれとアルノーツ様」


「どうしたシンディ?」


「いえ、・・・腹痛は大丈夫なのでしょうか?5日ほど前のディナー時に腹痛がひどいとおっしゃっておりましたので、それに昨晩の夜はもうそれはひどくお顔が青ざめておりましたが・・・」


「え、あぁ!!大丈夫だとも今朝になってすっきりしたよ!!それで僕は何を食べていたんだっけ?おなかが痛すぎて何を食べたか覚えていなんだ」


え、なにこの子毒でも盛られたの?・・・まぁ生活態度的に狙われてもおかしくはないだろう


「それほどまでに苦しまれていたとは・・・、その日食べていたのはアルノーツ様のわがままで若鳥の刺身?という珍味をいただきたいとおっしゃっておりましたのでメインを刺身に夕飯を召し上がっておりました。」


・・・あーもしかしてあたっちゃった?それは気の毒だなぁ・・・ってことはかなりこの体もしかして消耗してる?この体の父親に話をつけてさっさと休息をとった方がよさそうだぞ?


「病状が回復したてとは思えないほど顔色もよさそうですね、不思議なこともあるものです」


「うむ、そうか・・・そのことを踏まえて話をしてくるとしよう」


そう言って扉を開け出ようとした瞬間に立ち止まり振り向く


「お父様の書斎ってどこだっけ?」


「・・・あぁ」


シンディさんは頭を抱えていた。







シンディに途中まで案内され僕はこの体の父親の書斎の前まで来ていた。

父親の名前はたしかカリオストロ、

カリオストロ・フレディ伯爵

この国の賢者で魔法使いであり王の次に、政の発言権がある人。


一言でまとめるとすごい天才、

そんな人の息子として甘やかされ育ったせいか幼少期はわがままであんなことをしでかすのだろう、それにこの人から魔法の師事をしてもらえればいいじゃないという声もあるだろう、しかし魔法の事に関してだけはすごく感覚肌という設定がある


サブイベで彼から呪文を一つ選んで覚えられるのだがゲームの章を何個か跨がないと覚えられないという糞仕様のせいで通常プレイ、RTAのプレイでさえあまり使われないのだが

一つだけ覚えておいて損はない魔法が一つだけあるのだがそれは今は関係ないね、また今度話をしよう。


「お父様、アルノーツですお時間よろしいでしょうか」


扉の反対側から盛大な物音が聞こえてくる、そして扉は勝手に開きアルノーツの体自身も勝手に吸い込まれていった


「おぉアルノーツ、我が息子よ!!こうして直接話すのも五日ぶりであったな!!お主が珍味を食べたいというお願いを叶えてしまったがゆえに苦しい思いをさせてしまった!父親として本当に申し訳ないことをしたと反省していたところだ・・・しかしこうなる可能性を料理長からは事前に聞いていたのだ、その土地で食べる際でも管理方法が甘いとこのように体調を崩してしまうらしいので、食事として出されるまでは私の魔法で氷漬けにしておいたのだが・・・解凍した後にあの料理人が摂取すると腹痛を起こし臓物を腐らせる毒をどうやら含ませていたらしい・・・どこのどいつが命令したかはその糞から直接吐かせてそいつの体と顔を送りつけておいた・・・ん?どうしたアルノーツ、そいつは生きているのかだって?なぁにお前がそんな心配することは無いぞ?それにお父さんえらいから?なんとでもなるぞ?大丈夫、お前がどんな悪さをしようともお父さんがその問題を捻りつぶしてやろうとも・・・

それにしてもアルノーツ今朝は顔色が良いな?まぁ私が本気で治療したのだ当たり前だ。」

「だがそれにしても妙だ、回復するには早すぎるぞ・・・いやまて、その体は確かに私の息子だ、魔力も息子そのものだ・・・しかし私の感情が、魂がささやいている。」


「お前、誰だ?」


入室した瞬間に言葉の弾丸を浴びせられたかと思えば急に俺の正体を見破るかのような発言に驚き、言葉を選びながら


「ど、どうしたのですお父様?僕はアルノーツですよ?」


「あぁ、確かに・・・だがお前は一つ間違いを犯しているぞ」


ま、間違いですか?


「それは、アルノーツは服のボタンを必ず一つ掛け間違えるがそれが見当たらない」


は?・・・あぁ!!そうだった、アルノーツのイベントごとがあれば毎回そのボタンの掛け合いがあったと気がしてた!!


「・・・きっしょ、なんで分かるんだよ(笑)」


忘れていた、彼はバカ親だった


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目が覚めたら悪役貴族に転生していた。死にたくないから必死に生きる ありすの鏡 @Lightmirorr-Wotagei

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