第5話 この手で抱えられるだけの幸せ
結論から言おう。
俺の幼馴染かつ元婚約者の義理の母(になるのか?ならねえよな?)は殺人未遂で逮捕されたあと、精神病院に強制入院措置となった。
よっぽどのことがなければ出てこれないと聞いている。
やったことがやったことであるし、出てこれないと俺は思っている。
だからと言って何も備えをしないわけじゃないさ、出てきたら連絡が来るようになってるし、最悪海外にでれば何とでもなるだろう。
正直ここまでやらかすとは思っていなかったが、その考えは甘かったのだろう。
なんであんな奴になっちまったんだろうなあ。
どうしてあんなことやらかす奴になっちまったんだろなあ。
本当に守るべきものは今回は何とか守りきれた。
嫁からすると俺自身も守るべきものらしいが。
私たちを残して逝くつもりだったの!?それは自己満足よ!としこたま怒られた。
確かにそうだ、勝手に満足してはいけないな。
あぁ・・・だがしかし、一歩間違えばすべてを失うところだったと考えるとぞっとする。
嫁の身体にはケガ一つ無かった。
まあ、けがはなくとも転んだりしたから死ぬほど心配はしたのだが。
もしそれで大切なものを失っていたら、俺は絶対に許さなかった。
その分俺はザクザク背中をやられたが、あいつは結局何がしたかったのだろうか。
何が欲しくて、どうしたかったのか今となっては分からないし、わかりたくもない。
あいつが俺に残したのはどうしようもない十数年分の心の空白と、心と体への傷だった。
半分だけ血のつながった弟を投げつけて受け止めたところを嫁めがけて包丁で刺しに来るという、外道の所業を見て幼い頃からの最後に残った情もきれいに消えてしまった。
どこで間違えて、どこが分水嶺だったのかどれだけ考えてもわからない。
もし漫画や小説のようにタイムリープしても同じ結果になりそうだ。
つまり理由なんて何もなく、最初からどうしようもなかったのではないか。
理不尽ではあるが、世の中理不尽なんていくらでも転がっている。
最近おなかが目立つようになってきた嫁が、どこかで聞きかじった言葉をしたり顔で述べていたがそう考えたほうが精神衛生上いいのかもしれない。
つまり、どうしようもなかった。
過去は変えられないし、考えても答えは出ない。
いや、考えても無駄だと心のどこかで諦めてしまっているのか。
「まー、アレがやらかしてくれたおかげで私はあなたと会えたわけだし、そう考えるとかなりプラスでしょ!」
うちの嫁が前向きすぎる。大好き。
俺に残った最後の宝物。
物語に出てくるような派手な出会いでなくても、俺と一緒にいてくれる大切な家族。
そしてこれから生まれてくる我が子に精一杯の愛情を注いでいきたいと思う。
俺の人生にラブコメは必要なかったんだ。
あ、近所に同世代の子が住んでないところにするつもりだ。
幼馴染なんぞ、ロクなもんじゃないからな!
おわり
──────────────────────────────────────
なんとかハッピーエンドまで持ってこれたのでここまでです。
初めてのつたない作品でしたが、ここまで読んでくださりありがとうございます。
なんだかちょっと自信がついたので、時間を見てまた作品を投稿していきたいとおもいますので、よろしくお願いします。
ぼんやり考えていたキャラ紹介
・主人公
卑下してるけどだいぶんハイスペのイケメン。
小中高大と幼馴染に磨き上げられた結果、超ハイスペックになってる。
でも友達とか全然いない。後天性コミュ障。
ちなみに付けられた傷は背中にいっぱいと顔面一文字です。
イケメンは傷つけられてもイケメンだからずるいね・・・
・幼馴染
設定がふわふわして全然固まってませんでした・・・
書き始めるときなんとなくヤンデレタグ入れた結果、超束縛浮気女から超束縛浮気ヤンデレ狂人になってしまった。
浮気相手も最初は親父じゃなかったけど、親父ならさらに絶望感増すんじゃないか?という思い付きでそうなってしまった。
主人公の弟になる息子は父方の親戚に引き取られていきました。
この子は純然たる被害者。かわいそう(無責任)
・嫁
めちゃめちゃいい子。
自分で陰キャとか言ってるけど陽ですよ、陽。
子供めっちゃ産んだんじゃないかな、パパさみしがりやだし。
・お隣の子
ちょっと引きこもり気質だけど、優しいいい子。
陰キャだけど、こちらも主人公気質。
このくらいしか考えてませんでした。
次はもうちょっと練ってから書こうと思います。
以上、簡単ですがあとがきでした。
──────────────────────────────────────
あぁ、なぜあなたははなれていくの。
ずっとあなただけをみていたのに。
あなたのお父さんお母さんがうらやましかった。
何もしなくてもあなたに愛してもらえる。
かぞくという血がつながっているだけのあいだがらなのに。
無償の愛。
愛。
愛。
愛。
ほしい。
ほしい。
あなたのあいがほしい。
家族ならあいしてもらえるならかぞくを作ればいい。
かんたんだ。
あなたとつくるつもりだったけど、もしつくったらあなたのあいが目減りするかも。
そうだ。
おとうとかいもうとをつくろう。
それならきっとだいじょうぶ。
きっといいお兄ちゃんになってくれる。
あんしんして。
わたしがあいしてるのはあなただけだから。
だから。
私をいつまでも愛してね。
ね?
幼馴染に愛された物語のくだらない結末 みかんねこ @kuromacmugimikan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます