Ch.2 §8 あらすじ/用語:畑崎家の10年間

更新 2023-10-25


目次 短めのあらすじ/長めのあらすじ/用語


# あらすじ


## 短めのあらすじ(約150文字)


第一子出産後、仕事を再開のためリスキリングに取り組んでいるうちに、体調を崩した畑崎麻衣美は入院することになる。子育てを頼る親族がいない夫の智司は絶望しかけるが、二一世紀連邦の充実した保育制度に救われる。退院後、養護院の担当者にもっと制度に頼るよう言われた麻衣美は反発するが、結局、再度仕事を始めるのは第二子の小学校入学後になった。


## 長めのあらすじ


### 第38話 畑崎麻衣美は残されない


2077年長女朱莉(乳児)の姿を見失った時の悪夢を2085年に見た畑崎麻衣美は、長男光の小学校入学の時に引っ越してきた自宅で目を覚ます。育児時短で帰ってきて朱莉を見つけてくれた夫の智司と回想する。不思議なくらい器用だった朱莉がヨコ漏れしたおむつで起こした大惨事。リスキリングに取り組んでいる中疲労で不調だった麻衣美。養護院の担当者。


### 第39話 畑崎智司とその妻の肺


2072年神崎智司は、前時代工藝の実習中、不注意で手を怪我した畑中麻衣美に気づく。2074年に甘党繋がりで仲良くなったふたり。「実習の時の不注意がきっかけで、二度と失敗しないよう気をつけて前時代工藝の修理技術を学ぶことにした」と語る麻衣美に智司は恋をし、法の理想について熱く語った智司を麻衣美は溺愛する。麻衣美は結婚後早めに出産して再就職することを決め、智司も賛成した。しかし、2077年リスキリングで無理をした麻衣美は肺塞栓症になり、入院することになる。


第40話 罰する期間ではなく


2077年智司は頼れる親族がおらず、麻衣美の親族も別件で忙殺されている。乳児の面倒を見るものがいないと伝えると、医師は事もなげにみどり養護院での保育を手配する。午前7時迎え、引き取りは23時まで。退院後、麻衣美は担任の木立和士と話す。木立は最近の論文の内容をもとに麻衣美の無理を諫め、気負って破綻してはいけない、自分たち保育労働者も誇りを持って働けるようになった、もっと頼れ、第二子を産めと諭す。麻衣美はその後鬱気味になり、見舞いに来た鮎田歩に木立の言葉への反発を語る。2086年、歩の書斎で、第二子光の小学校入学後改めてリスキリングを受講して仕事を始めた麻衣美は、木立の言葉への感謝を語る。


# 用語


## 連合


- 各世界と亜空間の部屋(「白い部屋」がある「場所」)を統括する組織。連合の存在は各世界でも一部の者しか把握していない最高機密。


- ドナートとグイダックをはじめとする技術研究隊の隊員たちはウルデンゴーリン王国で連合のことを知っている数少ない者たちの1人


- 「主」と「上席」は連合の役職名。


- 主の配下に「常世霞」という亜空間の生命体がいる。


## 亜空間の生命体説明


- 全般管理職の立場にあるのは「座」を統べる「席」。

- その下の中間管理職の立場にあるのは「部屋」を統べる「主」。

- 常世霞は、統べる場を持たないが、同じく連合のために働いている。勇者の目で見ないと見えない。


## 亜空間


- 鮎田たちの師、白い部屋の主がいる「場所」。鈴木は白い部屋の主と遠隔で「念話」ができる。青い部屋(Ch.1第7話)もある。


## ウルデンゴーリン王国


- 鈴木たちが召喚された国。第六十五世界。欧米風。Web小説用語の「ナーロッパ全開」。討伐はライトウエルマーシュ赤の森で行われる。(Ch.1文中では特に記載していないが)19-20世紀? ヨーロッパ風味+魔法/連合由来の先端技術が混ざった国。魔法があるのが常識なので、「魔獣」や「魔人」はいない。


- 鮎田はウルデンゴーリン王国伯爵位。桑田と鈴木は子爵位。


## 二一世紀連邦


- 鈴木たちの凪海浦大学がある日本地方が属する国。第六十七世界。

- 結婚した後新姓作成制度で新しい姓に夫婦で改姓可能。夫婦別姓、夫婦同姓等も選択可能。

- 畑崎夫妻は日本地方第一行政地区在住。畑崎智司は地方公務員。

- 第一行政地区にあるみどり養護院は両親が事故死した鮎田(旧姓鈴木)歩が育った施設(第2話で言及)。

- 鮎田たちは連邦公務員に就職。鮎田数樹は連邦総務省・文書管理部・前時代工藝処理班所属。鮎田歩は研究所研究員。

- 連邦の一部の者は「フェデラルショートハンド」という速記記法を使う。

- この物語の時期の世紀前半、感染症が流行り、今でも影響が残っていて、後遺症の肺塞栓症にかかる者もいる。

- 超現象の普及で、社会福祉にかける予算を増やすことが出来ていて、保育労働者も待遇が良くなり、関連学問の論文に目を通す余裕がある。


## 超現象


- Ch.1第2話で説明。キミア熱力学(錬金術の流れを汲む学問)研究グループにより2035年に発見された画期的な技術のこと。例えばCh.1第1話では顔の「浄化」に「超現象」が使われる。


- 「超現象研究A」は凪海浦大学の教養課程必修科目。鈴木、鮎田、畑中、神崎、烏池、桑田はこの科目で一緒のクラスになる。


## 超現巫亜種異端(リアルキミアパンク)


キミア熱力学の亜種であるキミア巫術を超現象と組み合わせた犯罪を重ねつつ、制度や技術の抜け穴を巧みにかいくぐって、活動している組織。


## キミア巫術


- 超現象を開発した研究者が専門だったキミア熱力学と同じく、錬金術の研究成果を元にした『術』。ただし、こちらは学問とは言い難い。キミア熱力学の亜種と言えるが、似て非なるオカルト思想。

- 烏池の親族が経営していた医療法人INCOは超現巫亜種異端リアルキミアパンクとの関わりがあると言われている(§7で明らかになる)





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