Ch.2 §6 あらすじ/用語:仕事とわきまえ

更新 2023-10-22


§6 仕事とわきまえ


目次 短めのあらすじ/長めのあらすじ/用語


# あらすじ

## 短めのあらすじ(約200字)


鮎田数樹は連合で資料として参照するための記録に関する仕事を始める。妻に隠し事をするとしても、わきまえさせないようにしようと決意する。白い部屋の主はいずれいろいろなことを歩に明かすことをほのめかしつつ鮎田夫妻と家族として交流する。畑崎(旧姓神崎・畑中)夫妻の早熟な長女朱莉あかりは鮎田数樹を「ゆーしゃん」と呼び、生成り色の布袋の近くで大人びた表情を見せる。


## 長めのあらすじ


### 第24話 閑話:2086年 上席の座


2086年、鮎田夫妻が就職して10年目。黒い羽根ペン形態の「席」が亜空間の座において鮎田数樹・歩(アユミ・アユタ=スズキと名乗っている)が就職して8年目に起きた事件の記録の幻影を検討し、汚い字で書き込みをしている。一体の常世霞がその補佐をしている。記録作成が連合での数樹の仕事だった。


### 第25話 2076年 勇者鮎田数樹と連合の記録


就職1年目の鮎田数樹は連合速記の記法で過去の事件(鈴木歩に白い部屋の主が知らせた高橋の不実)を規定通り資料化し、上司のチェックを受ける。完成した文書は送信管を通じて中央記録装置に送り、幻影として配布と上司は教える。


### 第26話 あたりまえのことを確認していく


鮎田夫妻は互いの配属について、変な事務官のお節介の噂をするくらいで、詳しいことを伝えていない。ただ、数樹は歩の元恋人がしたような「隠し事をして歩にわきまえさせる」ことをしたくないと思った。連合で働き始めたころ再会したドナートが歩はまだ連合のことを知らないが、そのうち白い部屋の主を通じて知ることになると説明した。また、何かあったら相談するようドナートは申し出る。助言を受け、隠し事をしていること自体は知らせた。「曖昧な秘密は僕たちの間では相談させない」と数樹は宣言する。


### 第27話 閑話:2077年 姉さんとバリバリ


翌年、白い部屋の主は姉さん形態で歩と寛いでせんべいを食べていた。歩は今の平和には亜空間が介入しているのか尋ねる。授業で習った核戦争被害の記憶についても話す。主は亜空間の介入はあった、今も超現巫亜種異端リアルキミアパンク関連では「ある」と説明する。歩は数樹の仕事について薄々気づいていることを主に話し、主はいずれ話すと逸らす。ふたりは仲良く買い物に出かける。


### 第28話 短い閑話:2078年 畑崎一家と同窓会の絵本


「超現象研究A」の仲間の同窓会。退学後の桑田は南の方にいるという噂話をしていた麻衣美。娘の朱莉あかりと智司と一緒にいると、遅れて鮎田夫妻が到着。早熟な朱莉は鮎田を「ゆーしゃん」と呼んでいる。生成り色の布袋から取り出された絵本を読んでもらっている朱莉が、急に大人びた表情で「わかった」という。何だろうと思った麻衣美はすぐ忘れて交流を続ける。


# 用語


## 連合


- 各世界と亜空間の部屋(「白い部屋」がある「場所」)を統括する組織。連合の存在は各世界でも一部の者しか把握していない最高機密。


- ドナートとグイダックをはじめとする技術研究隊の隊員たちはウルデンゴーリン王国で連合のことを知っている数少ない者たちの1人


- 「主」と「上席」は連合の役職名。

- 白い部屋の主は生成り色の布袋。念話が出来る。


- 主の配下に「常世霞」という亜空間の生命体がいる。勇者の目で見ないと見えない。

- 連合の記法(連合速記)とその保存については、第25話で説明。


## 亜空間


- 鮎田たちの師、白い部屋の主がいる「場所」。鈴木は白い部屋の主と遠隔で「念話」ができる。青い部屋(Ch.1第7話)もある。


## ウルデンゴーリン王国


- 鈴木たちが召喚された国。第六十五世界。欧米風。Web小説用語の「ナーロッパ全開」。討伐はライトウエルマーシュ赤の森で行われる。(Ch.1文中では特に記載していないが)19-20世紀? ヨーロッパ風味+魔法/連合由来の先端技術が混ざった国。魔法があるのが常識なので、「魔獣」や「魔人」はいない。


- 鮎田はウルデンゴーリン王国伯爵位。桑田と鈴木は子爵位。


## 二一世紀連邦


- 鈴木たちの凪海浦大学がある日本地方が属する国。第六十七世界。

- 結婚した後新姓作成制度で新しい姓に夫婦で改姓可能。夫婦別姓、夫婦同姓等も選択可能。

- 畑崎夫妻は日本地方第一行政地区在住。畑崎智司は地方公務員。

- 第一行政地区にあるみどり養護院は両親が事故死した鮎田(旧姓鈴木)歩が育った施設(第2話で言及)。

- 鮎田たちは連邦公務員に就職。鮎田数樹は連邦総務省・文書管理部・前時代工藝処理班所属。鮎田歩は研究所研究員。

- 連邦の一部の者は「フェデラルショートハンド」という速記記法を使う。


## 超現象


- Ch.1第2話で説明。キミア熱力学(錬金術の流れを汲む学問)研究グループにより2035年に発見された画期的な技術のこと。例えばCh.1第1話では顔の「浄化」に「超現象」が使われる。


- 「超現象研究A」は凪海浦大学の教養課程必修科目。鈴木、鮎田、畑中、神崎、烏池、桑田はこの科目で一緒のクラスになる。


## 超現巫亜種異端(リアルキミアパンク)


キミア熱力学の亜種であるキミア巫術を超現象と組み合わせた犯罪を重ねつつ、制度や技術の抜け穴を巧みにかいくぐって、活動している組織。


## キミア巫術


超現象を開発した研究者が専門だったキミア熱力学と同じく、錬金術の研究成果を元にした『術』。ただし、こちらは学問とは言い難い。キミア熱力学の亜種と言えるが、似て非なるオカルト思想。

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