第80話  エンドのアボレイ星・復活地球

重力の気流が激しい。「そろそろ、エンドの領域だ。加速するぞ。みんな、ついて来い。」僕はみんなの脳内に指令する。

表宇宙と裏宇宙を合わせた二乗した重力が一気にカラダにかかる。二つの異なる空間があるときねじれた一点だけゼロの領域ができる。「あそこだ。」飛び込め。

ビューン一気に加速、光速でアボレイ星側に突入する。そして一気に着陸。

僕はみんなの生命エネルギー感知。「大丈夫だ。みんな無事着陸。」

僕らは運がいいのか悪いのか荒野?平原に着陸したようだ。まわりには高い建物も近代な科学のにおいがするものはなにも無い。

「ここはどこだ?」

「バル、ここはどうやら、町から遠く離れたへき地。運よく、へき地過ぎて、電波さえ、一つも受信できない。」クレアが科学者らしく、報告する。

ギルも「そうだな、生命体の感知もできない。何もいない。どうなっているんだ?

バル。」

「そうだな。おかしい。宇宙中の有能な科学者がこぞって、この地に来たと聞いている。最新の防衛システム。完全なるコントロール支配下にて、この星のすべて掌握していると思っていたが、少し拍子抜けだ。」

アンも「小さな虫の生命体でさえいないようよ。何も感知できない。」

タクが「そうだな。何もいない。」

僕らは改めてまわりを見た。壊れた監視カメラが浮き出しの荒野の土の上に、ごろごろ転がっている。

僕は拾い。「たぶん、ここには生命体が住んだ痕跡はあるようだ。しかし今は誰もいない。」

アンが「みんな消滅したの?」

クレアが「どこかの星に星ごと移住でもしたんじゃないの。この場所もだけど、誰もいない。」

「何があったんだ。」僕は必死で考えた。

ギルもタクと着陸地点から半径100km以内を探索したが壊れた監視カメラが落ちているだけで、生命体の気配を感じないとの報告だ。

クレアが「もしかして、このアボレイ星って、すでに消滅しているんじゃない。それに地球を監視カメラで支配しているけど、支配していたアボレイ星の王D自体も本当はもう消滅しているのかもしれない。」

じゃ、僕の前に現れたDは?確かに映像のように消えていったが。

まわりを見渡して僕は「そうだな。クレアの言う通り、アボレイ星はすでに消滅しているのかもしれない。」

「バル、じゃあ、早く地球に帰還してあの監視カメラをすべて壊してしまえば、任務完了。地球はもとに戻るはずよね。」

「そうだ。理屈ではそうだ。しかし、おかしい。このアボレイ星には微弱だが高度な周波数の電波の残骸が無数にある。もしかすると、この荒野、地面の下に?」

僕は地面表面を削りとった。「あった。」住居や研究施設・・・跡だ。

この星に何があったんだ。

その時だった、僕らが空から時空のねじれの点からこの星に侵入してきたように光速の光が3つ突入してくる。

「ドーン。」着陸。

「バム。」

そしてジルにエルダ3人が着陸して来た。

アンとクレア「バム。良かった。別行動ってバルから聞かされていたから心配していたのよ。」「そうよ。」

「ありがとう。心配してくれて。ジルを迎えに行っていたの。報告も兼ねて。ジルのあの古代宇宙嵐モンズ星は電波が届かない、全くの別空間なの。だからタクのあの裏山のあの入口からワープするしかなかったの。それにDについてはバルだけの判断じゃ難しかったみたい。それでジルとエルダを呼びにね。」

僕はバムにねぎらいを「ありがとうバム。助かった。」

改めてジルに「ジル、この星、アボレイ星は僕には手が負えない。ジルに任せたい。調べてみたがDは生命体の本体のエネルギーも感じない。僕の予想通りこのアボレイ星の星人、科学者すべて消滅している。たぶん、科学の進化が生命体を越えた結果だと思う。それにDの映像が僕の前に現れた時に違和感があった。たぶん、Dはいつか科学に、機械に自分たちが乗っ取られたときに、制御できなくなったときのためにDは自ら映像を用意していたのだと思う。それも、その時点でこの宇宙で一番力だある生命体に託した。僕は託された。宇宙最強の破壊の塵・現宇宙嵐モンズ王の僕、バル様にね。」

アンが「じゃあ、どうして、助けてとかのメッセージじゃなかったの?」

「助けてーって言ってはい。はい。って行くお人よしはいないよ、アン。それもはじめて会った見ず知らずの得体のしれない星人。行くはずがない。だから脅威が迫っているって僕らに伝えた。僕らは強い。淘汰する。それを狙って仕組まれたプログラムでね。」

ギルが「しかし、どうしてジルとエルダを呼んだんだバル。」

「それはこのエンド一体すべて消滅させるためだ。地球内の監視カメラにロボットたちはこのアボレイ星のどこかにあるコントロール室から命令が出されている。この星、このエンドエリアすべてを一度の消滅させるのは僕のエネルギーだけでは足りない。僕にはジルが必要さ。」

ネズミの姿のジルがやっと口を開いた。

「バル、お前も成長したな。自分だけで。自分の力だけでと、いきがっている時はまだだめだ。誰かを頼ることも覚えてこそ大人だ。」

僕らはエネルギーを放出した。僕の名は彗星・破壊の塵。地球を守るためこのアボレイ星を消滅する。

星は一瞬にして消えた。

そして数か月後の地球。平和な日常生活。夏休みの続き。太陽はまだ高い。カブトムシ採りに行きますか。

~エンドは急に来るんかい。ですねー。

                                 END

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彗星 破壊の塵・地球到達・宇宙嵐モンズ星~ 京極 道真   @mmmmm11111

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