俺はうんこと復縁したい。 ~恋愛相談したらうんことの復縁を目指すことになった~

つん

先輩に相談

「あのな? 一回変わっちまったもんはもう元にゃ戻れねーんだよ。うんこは加工しても食えねーだろ」

 先輩は少々下品だが、尊敬できて頼りになるお方だ。

「うんこは美味かったあの頃には戻らねえってこった」

 どんな相談にも愚直に乗ってくださる。

 しかし、今回ばかりは意味不明だ。

「結論それなんですか?」

「結論、うんこは飯に戻らねえ」

「おけです」

 おけじゃない。

「分かったか? うんこは飯にならねんだ」

「分かりましたよ」

 分からない。

「くれぐれもうんこ食うなよ」

「食わねーよ!!」

 食いません。

 でも先輩は不満げな顔持ちだった。

「でもお前、もううんこになっちまった彼女食おうとしてんじゃん」

「破局のことをうんこになったって言うのやめてください。復縁しようとしてるだけです体目的じゃないです」

「お前はうんこを食べる目的じゃなく調理しようとしてるんだな。イカれてるぞ」

 優香ゆうかは決してうんこなんかじゃない。

「元カノはうんこじゃないっすよ」

「いいや、もう別れちまって元には戻らねえは、うんこも同然だね」

「あとうんこなら食べる目的でも調理したらイカれてます」

「よく分かってんじゃねえか。体目的じゃなくても元カノうんことの復縁目指したらイカれてんだよ」

 優香を指す指示代名詞もうんこという普通名詞もうんこだから、文が大変わかりにくい。この文章がまさにうんこだ。

 ここは最強の一手で切り返そう。

「でも先輩童貞じゃん」

「やめて」

「なんで俺年齢イコール彼女いない歴の魔法使いに恋愛相談してたんだろ。普段かっこよくて頼りになる先輩なだけで、恋愛相談の適任では間違いなくなかったのに」

「好感度取ろうとするか俺の恋愛をいじるかどっちかにしてくれ」

「童貞乙っす」

「ぶっ殺すぞ」

 わお、めっちゃこわい。

 ――こうして、本日の我が復縁計画は幕を閉じた。


 つづく(つづかない)――

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俺はうんこと復縁したい。 ~恋愛相談したらうんことの復縁を目指すことになった~ つん @TsunTunTsu

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