煌めいて、揺らめいて、舞い上がれ

ちょっと不思議で、メルフェンな話。
夏の一夜には不思議なことが起きるものだと楽しませてくれる。

夢のような体験を、主人公はしたのだとわかる。
それなのに、従兄弟だけは夢ではないと答えているという。
ちょっとした不思議さに、読み手は興味をそそられる。

師匠とのやり取りにでてきた「神念」は、花火の神様である惣が使える特殊能力なのだろう。
その力で、鈴凪を空へ飛ばしたのかしらん。

幼いとき、惣は師匠に特等席から花火を見たとき、同じように飛び上がり、神念をつかって地上へと戻ってきたことがあったのではと邪推する。
だから、惣は一年の修行で花火師になることができ、「花火の神様」と呼ばれているのだろう。

花火の神様は、年を取らないのかもしれない。
これも神念の為せる技なのかも。