世界があなたの死に花を手向けますように

ルリマツリ

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あなたが死んでも、世界は変わらず廻り続ける。それがとても悔しくて。とても悲しくて。とても虚しくて。あなたの死を世界中が悲しめばいいのに。

今日もいつもと変わらず日が昇り、世界は動き出す。太陽は満面の笑みで悪気なく私の顔を陽気にさんさんと照らしてくる。冷めた顔で駅に向かうスーツを着た中年の男の人も、友人と笑いあって賑やかに通学する中学生も、遅刻しないように急いで自転車を漕ぐ高校生も、寝起きのボサボサの髪のまま花に水やりをする近所のおばさんも、全員が泣いて、泣いて。あなたの死に悲しみに暮れてしまえばいいのに。あなたというピースを1つ無くしてしまったことで、私の世界は一瞬のうちに色褪せてしまった。心には大きすぎる黒く深い穴がぽっかりと空いてしまっている。私の世界はこんなにも変わってしまったのに行き交う人々は何も変わらない日常を過ごしている。世界にとってあなたの死は本当にちっぽけな存在で、気にするほどでもないのだろう。それが。とても。悔しい。悲しい。虚しい。


私だけが違う世界を生きているような感じだ。

世界の時間の流れに置いていかれてしまったような感じだ。


私の心の時計は前に進めそうにないのに、世界の時計の針は無慈悲にも回り続けるせいで無理やりにでも動かざるを得ないのがとても辛い。鈍重な体を無理やり動かして、いつ崩れるか分からない涙腺に脅えながら。


いつか私も世界の時間の流れに追いつく時が来るのだろう。だがそれも悲しい。想像するだけで目頭が熱くなり視界がぼやけてくる。私の心の時計が世界の時計と合わさる時は、私があなたの死を克服したということだ。それが、悲しい。あなたを忘れるという訳では無いと分かっているが、やはりどこか寂しくて。申し訳なくなって、涙が溢れてくる。


あなたは私が涙を拭い前を向いてすすむことを望むだろうが、今の私にはできそうにない。こんな私を見たら君は呆れてしまうだろうな。

だけど安心して欲しい。私はちゃんと歩き出すから。いつか。

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