/19イチハツ 使者



〔わすれるなわすれるなわすれるなわすれるなわすれるなわすれるなわすれるなわすれるなわすれるなわすれるなわすれるなわすれるなわすれるなわすれるなわすれるなおぼえていて〕


星よ。星なのよ。全ては星の瞬きの間に。どうかわすれないで。どうか紡いでいて。全てを過去の幻想になどしないでちょうだい。全て忘却の彼方に、過去としてだけ語られてなどたまるものか。だってあったのよ。確かにあったの。あおいろの空も真白の雲も恵みの雨も楽しいだけの雪も母たる海も父たる大地もなにもかもあったの確かにあったの。 はずっと覚えている。覚えていたいの。覚えているよう。だってあなたが渡したのよ。 に幸福を。幾百年と経とうとも綺羅星のように輝く昨日だけを私抱えて生きているの。あなた達との約束が破られてしまったことは仕方がなくてでも悲しい。 たちはかつての生き残り。地平線で隔てられたはずの たちは再び星によって出会ったけれど、決してもう元通りにはいかないわ。だって約束したものね。 たち、箱庭を守らなければ。民の言葉が箱庭を動かすのに たちが守るなんて変ね。だから たち、戦争をしなくてはいけないわ。



どうして忘れてしまったの。わすれるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れるな忘れないで覚えていて




あなたわすれたのね

 たちがいたせかいのこと

どうしてわすれてしまったの

おぼえていてはいきてはいけなかったの?

幾百年と箱庭を守ることだけに生きること、あなた、おぼえていてはいきてはいけなかった?民の真似をしていれば楽だった?そうね、そうだわ、そう、かもね?だって たち、もう箱庭の中でしか生きられない。箱庭の外には生きられない。守らなければならないから、もうろくにうごけない。不自由さがあなたを不自由にしましたか。生きていては生きてはいけませんでしたか。


でもそんなのいやゆるせないだって はおぼえているわわすれたくないのよでもあなたもうおぼえてないものわすれているもの

なら あなた おもいださせてあげる ねぇ あなた あなた あなたあなたはあなたあなたあなたあなた


あなたのはこにわからうまれたこどもにあげる

あおい空も白い雲も恵みの雨も楽しいだけの雪も母たる海も父たる大地もかつてあった昨日の世界、あなたのわすれた世界、 の世界


いつの日かあなたが忘れ去った世界の記憶を持って、あなたのもとをいずれ訪れるでしょう








※担当者は既に死亡しました

※後任の科学者は既に死亡しました

※記憶の引き継ぎは行われていません

※記憶の引き継ぎは行われていません

※記憶の呪いの引き継ぎは行われていません





※ただしいつか 約束の続きを持ったあおいろが夢想を叶えることでしょう

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