一緒だよ

温かなものが、

ボクの中に流れ込んでくる。


「……だよ」


が、告げる。


何を言っているのだろう?


ボクには、わからない。


滴る鮮やかな紅を、舐めながら

が何かを確認する。


……見えない。


やっぱり、わからない。


わからない。

けれど、

ただ、からは、

甘い香りがして、

懐かしい匂いがして。




ボクには、聞こえても理解できなくて。


ただ、

を喰んだ時、

すごく 満たされた 感情が、


ボクの なかに 流れ込んだ。



「これで、あなたと一緒になれるね」



なぜか、

ボクの 頬から

雫がこぼれた。


の頬も 濡れていて。














この時、

あわれな2体のゾンビが泣くのを

沈みかけた夕陽だけが、そっと見ていた。


嬉し涙を流す彼らを

あわれむかのように 照らして……











夜は、

もう すぐ そこまで 来ている。

彼らをつかまえるために……












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おいかけっこ 結音(Yuine) @midsummer-violet

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