第98話

 ゼオの手前に構築していた防衛線を回収し、ゼオから50キロ進んだ先に再構築する。


開墾の際に回収する岩や切り株が増えているから、直線距離で1キロくらいにはなっている。


この防衛線は、帝国軍の侵攻を阻むと共に、帝国の商人の侵入をも阻止している。


こちら側の情報を持ち帰らせないためだ。


彼らが運んで来る物資がなくても、王国と商売ができれば問題ない。


こちらから帝国に移住する者達についても、防衛線の中ほどに『造作』で造った門があるから、そこから出て行ける。


内側からしか開かないし、大人1人の力でも、人が通れるくらいには開く。


尤も、この防衛線を飛び越えたり登ったりして越えることも可能だから、それができる者なら容易に通過できる。


高さは2メートルくらいしかないから。


ダセの町に寄ると、文官の募集が済んでいて、3人共問題ないので承認する。


全員が女性だった。


エルさんに運営上の問題点を尋ねると、空き家となった物件を購入したいと申し出た人が複数いると報告されたので、彼女の判断で売却し、代金を町の運営資金に充てるよう指示した。


ゼオでは、俺がスルーしてきた村で、この町が管理する場所に人を派遣し、支配層と税率が変わった事を伝え、不満があれば出て行かせるよう指示する。


幸い、騎士団に残った140名程の騎士達は、俺とアンドレに不満などなく、従順に従ってくれたので、然して問題なく事を進められるだろう。


そう言えば、彼らを治療した際、男の俺が回復魔法を使える事にかなり驚いていた。


まだ夕食の時間まで2時間あったので、大森林で探索をする。


狩りや採取をしながら1時間程進むと、『マッピング』上に新たなダンジョンマークが現れる。


嬉々としてそこまで進み、直ぐ側に転移魔法陣を設置して中に入る。


その内部構造から、運営が管理するダンジョンだと当たりをつけた。


かなり整然とした区画に整備された幾つもの部屋が存在し、そこに居る魔物は、ゾンビ1種類のみ。


剣や体術ではあまり効果が得られないだろうと判断し、『ファイアボール』を使って攻撃する。


よく燃えるが、焦げて消滅するまでに、1分くらいの時間を要した。


これだと、集団に囲まれた時に少し厄介だなと考えた俺は、向こうの世界で読んだラノベの知識を基に、魔物に回復魔法を放ってみた。


するとどうだろう。


『ヒール』を掛けられたゾンビが、一瞬で消えた。


これは良い。


回復魔法のレベル上げにも使える。


1部屋に2、3体居るゾンビに、どんどん『ヒール』を放っていく。


1階層の魔物を粗方倒し終えた時、その内の1体が金貨をドロップした。


命名、『ゾンビダンジョン』。


ここには是非、彼女を連れて来よう。



 カコ村でのお湯張り、ミーナの迎えを済ませた後、夕食と浴室での訓練を終え、ミウに『念話』を仕込む時間になる。


条件的には挿入前の愛撫など必要ないのだが、ミウはそういった行為も好きなので、気の済むまで付き合ってやる。


好奇心旺盛な彼女は、舌で俺の様々な部分を舐めては、その反応を目で確かめてくる。


防御策として目を閉じると、自身の下半身を俺の口に押し付けて、抗議してくる。


条件としてカウントされない絶頂を迎えたミウを、透かさず組み敷く。


後からガンガン突き上げ、両手を手綱のように引っ張って、嬌声を上げさせる。


3回程果てさせた後、今度は対面で膝の上に跨らせ、下から突き上げる。


俺の首に両手を回し、必死に耐える彼女に、容赦なく子宮パンチを放ち続ける。


果てる側から次が来て、意識を飛ばすと子宮パンチで強制的に叩き起こされ、呼吸すら困難になったミウは、涎を垂らし、汗と愛液を飛び散らせながら許しを請う。


残り1回になったところで、一旦彼女を開放し、ベッドに寝かせて回復魔法を掛けてやる。


水分を取らせ、落ち着いたところで覆い被さって、激しさのない、優しい動きだけで彼女を楽しませる。


子宮を突くのではなく、押し付けてぐりぐりと擦るように動いてやると、彼女は喜びの声をあげて四肢を絡めてきた。


条件の10回を優に達成し、やっと制約から解放された俺は、それから約2時間かけてミウの体を堪能した。



 「ダンジョンを造ったら、侵入者のかわいいは全部捕まえて修に抱かせ、忠実なしもべにしよう。

きっとよく働いてくれるからさ」


ピロートークでそんな事を言い出すミウ。


「それはちょっと・・。

大体さ、そういう事でしか繋がりの無い女性って、幾ら数が居ても虚しい気がするんだよね」


「出た、修の純愛講義」


「何それ?」


「サリーが言ってた。

修は時々、女性に夢を見過ぎるって」


「・・・」


「理想は大事だけどさ、そればかりを相手に押し付けるのもかわいそうだよ。

人には色んな欲があって、様々な性癖を持っていて、多種多様な好みがある。

優しく抱かれるのが好きな人もいれば、激しいのでないと感じない人もいるし、暴力的な性行為にしか興奮しないだっていると聞く。

あたしみたいに、愛する人以外には指一本だって触れさせない女性達もいれば、性行為を単なる仕事や交渉の道具として用いる達もいる。

殺されるくらいなら喜んで身体を差し出す人もいて、死んでも嫌だと拒絶する人もいる。

人其々なんだよ。

・・さすがにあたしも、無理やり犯しておいて、そこから始まる愛があるなんて事までは言わないよ。

女の子を強引に犯すような修の姿は目にしたくないしね。

でも、たとえダンジョンだからといって、こちらを殺す気満々で来た相手に、『負けたから帰ります』なんて言わせるのは道理が通らないでしょ?

殺されるのが嫌なら、殺したくない相手なら、せめて所持品は置いて行って貰って、それすらない相手には、従属か労務くらい課さないと。

慈善事業じゃないんだからさ」


「所持品を置いて行って貰うにしても、その相手が『アイテムボックス』を持っていたら、それすら難しいんだよな」


「それがちょっと厄介なんだよね」


その時、視界にメールが現れる。


自動的に開いたそれには、こう書かれていた。


『 特別イベント

レアスキル『アイテムボックスの鍵』を入手するチャンスです。

このスキルは、世界で唯一、あなただけに取得の機会が設けられています。

もし取得すれば、相手より『精神』と『敏捷』の両方が高い場合に限り、その相手が持つアイテムボックスから全ての所持品を略奪できます。

取得条件は、盗賊の類を1000人以上殺すこと。

期限はないので、是非頑張ってみてください。 』


「・・・」


「どうしたの?」


「『アイテムボックス』持ちの問題を、どうにかできそうなんだ」


「本当!?

修って最高の旦那様だよ!」


今夜はもう終わりだと思っていたのに、ミウがもう1戦仕掛けてきた。

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