第91話
依頼主に明日の朝またここに来るから、それまでに荷物を用意しておくように告げ、彼の屋敷を出る。
2時間も無駄にしたので、直ぐにダセまで跳び、防衛線を町の30キロ先まで押し上げて、その周辺の狩りをする。
ちょうど森林があったので、ソルジャーラミアとゴブリンプリンセスを出し、『人間は狩るな』とだけ言って、好きにさせる。
その間に、俺は領主屋敷に出向いて、エルさんにベッドの中で『ファイアボール』を教え込んだ。
3時間掛かったが、俺が来た時は毎回休憩時間だとエルさんから告げられていたシアさんは、その間自室で休んでいた。
それが終わるとニエの村に跳び、王都近辺に設置する転移魔法陣の代償を確保すべく、斧を使って自身の畑を拡張する。
中途半端に生えた周辺の樹木や、雑木林にもならないような規模の木々を百数十本切り倒し、無事『斧』スキルを再取得したのを確認すると、幹の部分は【アイテムボックス】に終い、薪に使えそうな小枝はミーナの実家に持って行った。
農地の登記簿を更新したタナさんは、村で1番の耕作地を所有する俺に人を雇って管理させる方法を提案し、俺はそれを受け入れた。
村人の中には、自身の畑が狭くて、手が空いている人がそれなりに居るようで、月に銀貨5枚でも喜んで働いてくれるそうだ。
そのための費用として、タナさんに取り敢えず金貨10枚を預け、畑の収益は全てこの家に帰属させるようお願いした。
築何十年かは知らないが、将来的にはこの家も、改築や増築をした方が良い。
ミーナとの子供ができた時、ここに預けるつもりだし。
ハイオークの死体を2体提供して、カコ村に寄ってお湯張りをした後、ゼルフィードに戻った。
正門から先に行くのは、これが初めてのような気がする。
さすがに暫くは道が整備され、魔物も見当たらない。
お陰で全力で走ることができ、時速200キロくらいで疾走する。
最初の村が見え、更にまた村が現れ、またしても村が出現する。
そんな光景を『マッピング』の地図上でも何度か確認し、1時間くらい走った後、やっと町が見えてきた。
門番の人に町の名を尋ねると、『ゴラン』という名で、子爵が治めていると教えてくれた。
時間がないので町には入らず、
森林を通ることになったが、素材や装備を持つ魔物以外は無視した。
ただ、最早習性で、金色の点だけはスルーできない。
たとえ大回りすることになっても、必ず取りに行く。
『ゴラン』の元住人であろう遺体や人骨から、身分証や装備、お金を回収する。
遺体の方は、レッドスライムを呼んで任せた。
宝箱はなく、その代わり、洞窟の内部でそこを根城にしていたHランクのブラックスネークを倒し、内部にあった装備や金貨、宝石類を頂戴した。
見た目があれだったので従魔にはせず、死体はレッドスライムに処理させた。
移動を開始して3時間弱、既にかなり暗くなり、2つ目の町を見つけた時点で今日の探索は一旦ここまでとする。
2つ目の町は『ダロン』。
門を閉じようとしていた門番曰く、伯爵が治め、人口は約40万だという。
その付近に『斧』を代償にした転移魔法陣を作り、急いで家に戻る。
夕食の時間は
直ぐに浴室での訓練に入り、そうしながらふと考える。
『こんな時、スマホが使えたらなあ~。
離れた仲間に連絡できないのは、不便で仕方がない』
その時、まるで図ったようにメールが届き、自動的に開かれる。
『 特殊イベント
レアスキル『念話』を獲得できるチャンス。
『念話』を使いたいと思う相手の女性を抱き、その女性が10回果てるまで、あなたは1度も漏らさずに我慢してください。
もし途中で1度でも放出してしまった場合は、また最初からやり直しです。
女性を絶頂に導く回数は、性器の挿入以外では認めません。
手や口による愛撫は対象外です。
成功した
あなただけでなく、相手をした女性にも、あなた限定で『念話』を使うことができるようになります。
是非頑張ってみてください。
尚、条件を予め女性側に伝えて、手加減をして貰うような人ではないと信じております。 』
「・・・」
やってやる。
やってやるよ!
何時になく燃え上がる俺。
訓練に耐え切れなくなったエミリーが俺に
深夜の部屋に嬌声が響き渡る。
汗の粒を飛ばしながら、エレナが悶えまくる。
何度意識を飛ばしても、回復魔法で強制的に起こされ、太く固い肉の塊に子宮を突かれ続けた彼女は、だらしなく口から
攻め続ける修の方は、いつもより多めの魔力を流しながら、自身の物で彼女の絶頂回数を冷静に数えている。
やがて、彼が満足する回数に達したのか、エレナを攻める動きを止めて、倒れ込む彼女を優しく抱き留めた。
「・・馬鹿。
もう少し手加減してよ。
大分恥ずかしい所を見せちゃったじゃない」
暫くして落ち着いたエレナさんが、押し当てていた枕から頭を上げ、至近距離から俺を軽く睨んでくる。
「済みません。
今回はスキルを得るために仕方なかったのです」
「スキル?
・・じゃあ全く出してくれなかったのも?」
「はい。
入手条件の1つでした」
「どんなスキルなの?」
「『念話』というものです。
離れた場所に居る相手に、声ではなく思考を送るものですね」
「それって凄く便利じゃない?
戦いの局面を一方的に変えられるわ」
「俺は寧ろ、安否確認や緊急時の連絡に使おうと考えてます。
今日みたいに俺に用事ができた時など、予め伝えることができますからね」
「もう入手できたの?」
「はい。
エレナさんのお陰で、あなたとの間に『念話』スキルが成立しました」
「私だけ?」
「今はそうです。
このスキルは、それを使いたい相手全員と条件を成就させる必要があります。
だから、エレナさんが最初の1人です」
「嬉しい!
修君の初めて、やっと貰えたのね」
熱烈なキスをしてくる。
「明日以降、他の4人にも行いますが、取り敢えずまだ黙っておいてください。
それと、このスキルはエレナさんの方からも使えます。
必要な時、俺を意識して頭の中で話したいことを考えれば、直ぐに俺に伝わるはずですから」
『愛してる』
「え?」
『ずっと側に居る』
「・・・」
『もう1度抱いて。
今度はちゃんと出してね』
『分りました』
「わ、本当に頭の中で修君の声がする」
『用事があるので、あと2回くらいで良いですか?』
「仕方ないわね。
それで我慢してあげる」
お互いの魔力を循環させながらの営みは、それから2時間ばかり続いた。
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