その美少女探偵は推理をしません。なぜなら優れた頭脳を持たない彼女は、Vtuberだからです。Vtuber「ほむるちゃん」のチャンネルに舞い込むのは、殺人事件の解決ではなく視聴者の悩み。探偵の助手ワトソンを務めるのも視聴者という、現代らしい世界観になっています。
助手を労うために「ほむるちゃん」が対価として提示したものは、主人公・啓の幼馴染・ひかりにとって重要な意味を持つものでした。
メタバースやゲーム、インターネットにまつわる依頼を、ほかの視聴者よりも早く解くことはできるのでしょうか。
バラバラに思えた事件はとある過去に関わっているのですが、レビューで語れるのはここまで。本作品の小説フォローと高評価、何卒よろしくお願いします。
チャンネル登録者一万人超えの大人気Vtuber「ほむるちゃん」は、視聴者の集合知を使って依頼を解決するバーチャル美少女探偵だ。主人公の湖傘啓は、幼馴染の森戸ひかりに頼まれて、ほむるちゃんが出題する謎掛けに挑むことに。
いま流行りのメタバース空間やネット配信者の間で巻き起こるミステリーです。
ほむるちゃんが出題する依頼に視聴者たちがそれぞれに回答を投稿していく。他のミステリーと違うのは、ただ頭でっかちな推理をすればいいのではなく、ほむるちゃんと依頼者が最も気に入った回答を正解とするところ。
ある意味とんち勝負といっていい謎掛けに対して、主人公の啓くんは依頼に隠された意図を読み解いて、毎回そうくるかと唸らせる意外性ある答えを出してくるから面白いのです。
初めは視聴者たちのお遊び半分だった推理合戦が、やがて大手Vtuber事務所のスキャンダルを暴くことに……。
メタバース空間やVtuber、eスポーツ、ディープラーニングなど、いま注目の集まる新技術を取り上げた新感覚のミステリーです。
(新作紹介「カクヨム金のたまご」/文=愛咲優詩)