【和風F】杉本苑子さん『散華 紫式部の生涯』読んでます。

 寝る前の読書で『散華 紫式部の生涯』(※1)を読んでいます。


 ただ、なかなか紫式部(作品中では「小市」という名前です)が主役にならなくて……。


 叔母に当たる「周防」という女性や、姉の「太市」、おじさん「為頼」たちで物語が動いている感じです。


 あと、時代小説は史実を踏まえて書かれるものですから、歴史ファンタジーと違ってお話が地味ですw

 

 それから、2023年現在この小説を読んでいて「へえ……」と思うのは、小説の中で視点が頻繁に変わることです。

 この『散華 紫式部の生涯』は初出が1991年だとか。

 一昔前の小説って、わりとこんな感じで視点が切り替わっていたものです。


 鷲生が創作活動を始めたのは割と最近のことで、若い頃読んでた小説を念頭に書いてましたから、視点も好き放題切り替えておりましたw

 小説を書くノウハウ情報に接して「今の小説では御法度!」と強い調子で否定されているのを見て、それ以降やっと気にするようになったんです。

 実は、2022年にカクヨムで公開した平安ファンタジーものも、最初は多視点で書き始めようとしていたんですよ(※2)。


 あちこちで「視点は動かすな!」と言われているので、その平安ファンタジーもそれにならいましたし(第1部、第2部で視点を担うキャラは変わっていますが)、それ以降もそうしています。


 こうして視点を固定させることに慣れてしまうと、久しぶりに『散華 紫式部の生涯』で視点が切り替わるのに違和感を覚えますね……。

 当時は別に問題ではなかったのですが……。


 このように、現代の歴史ファンタジー好きの鷲生が今読んでいると多少とまどいもありますが、それでも、時代小説の書き手として名高い杉本苑子さんの作品です。

 だから、時代考証はバッチリのはず。

 鷲生の平安ファンタジーを書くのに、准資料本として役立ちそうです。


 上巻の半ばくらいまで読んでいますから、これから紫式部がバシバシ登場してもっと面白くなるかもしれません。


 そういえば!

 明日12月20日に『謎の平安前期―桓武天皇から『源氏物語』誕生までの200年』(※3)という本が発売される予定です!


 これ、読みたかったんですよ~。

 今日は19日。フライングゲットできたりしないかな……。

 電子で買うなら夜の12時過ぎたら手に入りますね。

 うーん、どうしましょう。


 あと、山本淳子さんの『枕草子のたくらみ 「春はあけぼの」に秘められた思い』(※4)も読み返したいんです。


 はあ……。

 読みたい本は沢山あるのに、読書する時間があまりないのは歯がゆいです。


*****


 ※1 中央公論新社 『散華 紫式部の生涯』

 https://www.chuko.co.jp/bunko/2023/09/207416.html


 ※2 鷲生の平安ファンタジーはコチラ↓

 書き直して視点は一話単位では固定しております(一部、二部とで別キャラの視点になります。三部はお話によっては視点を担うキャラが変わる場面もあります。ただ、極力その切り替わりは最小限にしております)

 「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕ヘ或ハ近衛大将ノ大詐術」

 https://kakuyomu.jp/works/16816927860647624393


※3 中央公論新社 『謎の平安前期―桓武天皇から『源氏物語』誕生までの200年

 https://www.chuko.co.jp/shinsho/2023/12/102783.html


※4 朝日新聞出版 『枕草子のたくらみ 「春はあけぼの」に秘められた思い』

 https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=18976

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