【中華F】東京旅行です!二日目。
鷲生は東京旅行に出かけております。
東京の四谷に投宿し、二日目には、特急で山梨県の「平山郁夫シルクロード美術館」に行ってきました。
甲斐盆地の北の方、小淵沢から小海線で一駅の甲斐小泉にあります。
今年、宇治の平等院に藤を見に行った時に、この平山郁夫美術館で『崑崙の西から』という企画展が開催されているというチラシを手にしたのです(9月5日までです)。
ちょうど、鷲生が書いている中華ファンタジーの女主人公を西域出身としていることもあり、シルクロードがテーマのこの美術展に行きたいと思いました。
あ、その中華ファンタジーはコチラです→「後宮出入りの女商人 四神国の妃と消えた護符」https://kakuyomu.jp/works/16817330658675837815
単に美術展を見たいというだけで、京都から関東まで旅行するのは遠出ではありますけれども。
鷲生はコロナ中ほどんど京都から遠出をしたことがなく(大阪府との県境か奈良くらいです)、子どもも大きくなったのでずっと東京に一人で出かけたかったのです。
鷲生は若い頃に東京の大学院に合格していたのに、毒母のせいで関西に戻らざるを得ず、今でも東京で暮らすことに未練があります。
山梨県の美術館に行きたいのなら山梨で宿をとっても良かったのですが、私はあくまで東京に寝泊まりして、東京の人にとっての山梨小旅行を体験したいと思いました。
さて。
山梨の小海線が一時間に一本あるかどうかというローカル線のため、小淵沢に向かう新宿発の「あずさ」に乗るまで緊張しました。計画が少しでもつまずくとリカバリがきかなさそうで……。
無事、二時間半ほどかけて美術館に到着してホッとしました。
その美術館の外観を見た第一印象は「あれ?小さい?」だったのですが……。いやあ丁寧に見ていたらあっという間に時間が経ちました! 見ごたえ十分です!
ただ。この時にはアクシデントもありまして。
新宿駅で普段通りにスマホを見ようとしたら、画面の4分の3が蛍光黄緑に光るだけで操作不能になってしまったんです。
おそらく3カ月前に液晶にひびが入るほど強い衝撃を与えてしまったのが、今、故障となって表れたのかな……と思います。
残りの4分の1だけ見られる画面を頼りに頑張って写真を撮影しましたが(この美術館では写真がOKです)。あてになるかどうかわからないので、せっせと鉛筆でメモを録りました。
それを書き起こしたのが下記のとおりです。
単語の走り書きを私が記憶で補っているので、絶対に正確というわけではありません。こんな古代の遺物があるんだろうなあ~と「ファンタジー」を膨らませる材料としてお読みいただければと思います。
*****
●「円筒印章 メソポタミア BC2200」楔文字で書かれた文書は泥で封じられた後に、この円筒の印章をクルクル転がして印をつけたとか。
●「古代メソポタミア(おそらくカッシート)のフィアンス製の人面」
● 「ガラスは今から4000年以上も前にメソポタミアで発明され、西アジアやエジプト、オリエントに伝わった」という説明板があるガラスケースに、水色のガラスの塊があり「不透明で鮮やかな色彩」のガラスが多かったとのこと。
● 同じケースに「BC15c~13cミタンニ王国中心に初期ガラスが盛んに製造された」趣旨の説明があり、首飾りが2点展示されていました。ただし、「これらの首飾りは初期ガラスピースを後代に組み合わせたもの」だそうです。
色鮮やかなネックレスですが「青色のガラスピースはラピスラズリやトルコ石を、茶色のものは縞瑪瑙を模している」のだとか。
●同じケースには「古代西アジアでは金や銀の薄い板に神像、人、動物など」を彫ったものを「護符」にしたり、「貼って飾り」にしていたそうで、掌くらいの大きさのものが展示されていました。
「貴金属の装身具は溶かされて別のものに」されてしまうので「珍しい」そうですよ。
●「ライオンの頭部など金属腕輪」などもあり、「古来より高価な装身具」は「護符」であたったり、「身に着ける動産」出会ったりしたとの解説がありました。
このライオンのものは確かアケメネス朝のものだったと記憶しています。
●「新アッシリア 施釉煉瓦」がありました。周囲はパルメット文だそうです。
●その奥に動物のかたちの液体容器「リュトン」がありました。
●ルリスタンの青銅器もです。
●イランは鉱物資源が豊かなのだそうで、金属器がたくさん作られました。アケメネスで多く造られ、展示品の中には楔形文字による銘文があるものも。
パルティア時代~ササン朝、西アジアでは、酸化銅で着色したアルカリ釉の青っぽい陶器が造られました。色はトルコ石のような色から緑青、エメラルドグリーンまで様々だとか。
●扁平な形の容器もありますが、それは馬にぶら下げるためだそうです。
●天馬を折り出したコートの身頃があり、鷲生は「派手だな~」と思いました。中国とかの派手さとはまた違いますね。題材のせいか勇壮な感じがします。
●「緑字聖樹双鹿文緯錦」という織物もあり、「ソグド地域で織られたもの」だそうです。
●4つ目の展示室は「当館のコレクションから選りすぐりの品を紹介」とあり、ガラスをつなげた紐に護符をペンダントトップにしたようなものがありました。その「ガラス製品」について「フェニキア人がつくり地中海~西アジアへ運ばれた」という趣旨の説明がありました。
●「猪頭文杯」という金属の杯があり、「猪」は「ゾロアスター教の戦いの女神の化身」であり「ササン朝で人気」だったそうです。
●蛇の形の腕輪がアフガニスタン(バクトリア)から出土していますが、目にはラピスラズリが嵌め込まれてました!
●5番目の展示室は平山郁夫さんの画業についてです。敦煌での取材の記録などが展示されています。白いフタコブラクダを眺めている平山郁夫さんご夫妻の写真がありました。
●2階には平山郁夫さんの大作がどどーんと展示されています。
こちらも良かったです。
冒頭にも書きましたが、こじんまりした美術館のように見えても内容がとても濃いので、予定していた時間もあっという間に経ちました。
メモしていないんですが、ガンダーラ仏についても大きな展示室があり、素敵な像が一杯ですよ!
あと、この季節のここら辺は涼しいです。人口の冷房とも異なる爽やかな山のナチュラルな風が心地よかったです。
電車から別荘らしき小屋がいくつか見えましたが、確かに避暑にもってこいの場所ですね。
首都圏にお住まいの方でも思い立ってすぐには行きづらい美術館かもしれませんが、鷲生は行って良かったと満足しておりますよ~。
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