ゴミ男
Unknown
ゴミ男
アパートの玄関で酒を飲んで、虚空を眺めてぼーっとしている。
悲しみも喜びもない。俺の感性は錆びていく。ただ酒を飲む。
スマホの充電が4%しかないけど、動くのがめんどくせえ。
ご飯を作ったけど、食べるのがめんどくせえ。
音楽を聴きながら酒を飲んでスマホゲームをしてるだけ。俺の人生は何も生産的な事が無い。
ネット上で2年くらい関わってる女子大生の子に、「●●ちゃんとセックスしたすぎる」とメッセージを送ったら、「私は処女なのと、そういう事が得意ではない人間なので、他のことで出来ることがあったら言ってください。お役に立てなくてすみません」と、優しく断られた。
ごめんね!!!!!!!!!!!!
なんかもう、俺は全てがどうでもよくて、ヤケクソだったんだよ。俺だってセックスしたいと思ってたわけじゃない。でももう、その子に嫌われようとしてしまった。
死にたいと泣いてる奴に、俺は特に掛ける言葉がない。俺の想像を絶するレベルで苦しんでる奴が世の中ゴロゴロ存在していて、俺はその苦しみを想像できないからだ。俺は多分、あまり苦しんでない。甘えて生きる方法を知っている。だから心が壊れない。
でも、強いて言えば、統合失調症の苦しさは分かる。アルコールの離脱症状で、統合失調症の陽性症状に酷似した状態に陥った経験があるからだ。
あれほど苦しいなら、死んだ方がマシだと本気で何度も思った。当時俺は実家に住んでいたから、同居してる家族を殺してしまうのではないかと思って、「家の危険物を全部捨ててほしい」と母に頼んだ。
母が車で少し出かけた時、母が事故を起こすと確信して、警察を呼んだ。
家に盗聴器が仕掛けられてると思って、ずっと家族に訴え続けた。
幻聴も酷かった。俺の家の近所で大戦争が起きていた。(俺の狂った認識では)
その他にも苦しい思いはたくさんした。
酒は本当に、単なる毒です。快楽と引き換えに体と脳をぶっ壊す。それを分かっていても尚、俺は今も酒を飲んでいる。酒は本当に中毒性が高い薬物だ。覚醒剤よりも依存性が高いっていうデータがあった。そりゃ、酒なんて一生やめられるわけねえ。
酒に何度も体と脳と人生を壊されても、俺は酒をやめられない。治療する気は無い。あんまり困ってないから。
俺が個人的に盟友だと思っている「九頭龍一鬼」さんという方がカクヨムにいて、その人が、
「われわれのもとめる英雄とは、ヘビースモーカーの酒飲みであり、ひきこもりの自殺未遂者でなければならない」
と書いていたのを見て、当時この文を読んだ俺は、俺のドブみたいな人生全てが救済されたような晴々とした気持ちになった。ちなみに、上の文は九頭龍さんの投稿してる文から、そのまま引用させていただいた。
俺は、カクヨムで俺を見てくれる全ての人に感謝している。
◆
本音を書く。
俺はもう、「死にたい」とか「生きたい」とか、本当はクソどうでもいいんだ。もうそういう文を書く気も無いんだ。自意識の檻の中でウジウジしてるつもりは無い。諦めと共に、解放されたから。もう峠は越したはず。
俺はもう、楽しけりゃそれでいい。
でも、勝手に死にたいと思ってしまうから、書いている。
別に俺は死にたくない。自殺したくない。でもなんか勝手に俺の脳が自殺したがる。
なので、不本意ながら、「死にたい」とか書いてしまう。
今まで何度も自殺未遂したが、死ねなかった。
心の底では、生きたいと思ってるからだろう。
首を吊るにしたって、失敗しない可能性が高い「定型首吊り」を選べばいいのに、俺は楽に死ねる「非定型首吊り」を選んだ。
楽に死にたいとか、そんな願望がある時点で、生存本能には完敗してる。
何度も死のうとして分かったけど、人間の生存本能というのは、本当に物凄く強い。多分、人間の持ちうる感情の中で一番強いんじゃないかな。「生きたい」っていう感情が、人間の中で一番強い感情だと思う。
俺も、自殺未遂を何度もした。飛び降りたり、首を吊ったり。
心の底から本当に死にたいなら、苦しくても何の抵抗もしないはずだ。でも俺は抵抗した。だから死ねなかった。心は生きたがっている。
俺は本当は生きたいんだと思う。
でも、全くがんばれないから、なかなかムズイ。
◆
「死にたい」と言ってる奴に対して、俺は特に何も言えない。
時間が解決するんじゃないかなあ、みたいなことしか言えない。
大人になったら多分、みんな落ち着いてくるんだと思う。
10代20代のうちは苦しみが多いと思う。
俺自身、まだ26歳だから、あんまり生きていないんだけど、それでも10代の頃よりはとても楽になった。
何も解決してないんだけど、大人になったら少し楽になった。
だから、時間が全てを解決するっていうのは本当なんだろうと思う。
って、酒を飲みながら無表情で書いてる。タバコがうまいぜ。
終わり
ゴミ男 Unknown @unknown_saigo
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