8、おーい?桶狭間で信長死んだってよ

【作者】

たにたけし様


【あらすじ】

桶狭間で最初に散る筈だった男、千秋季忠。死に直面した戦場で彼は未来の記憶を想起する…だが歴史も科学知識にも疎い愚かな彼が信長亡き戦国の世でこの先生きのこる事が出来るのか…?


【感想】

信長が桶狭間の戦いで死んでしまった世界で、本来は死ぬはずだった主人公が生き残るために頑張るお話です。桶狭間の戦いでもし信長が死んでたらとは歴史好きなら誰もが1度は考えることですが、意外と歴史ものの作品で信長が桶狭間の戦いで死ぬことはないので、そこから始まるのは面白かったです。信長が死んだ後の織田家臣たちの描写は結構面白いです。

主人公は本来の歴史では、桶狭間の戦いで最初に突撃して討ち死にするのですが、未来の記憶が入ってきた主人公は糞を漏らして逃げるのですが、現代人らしさがしっかり出ていてよいと思いました。数多くある戦国転生ものでも屈指の情けなさだと思います。初陣でも普通に戦っている転生ものは多いですが、現代人がそんな簡単に戦いへの恐怖を克服できるのかなと思うことも多いので、こういう人間らしさが出ている作品は良いなと思います。千秋季忠は、熱田神宮の大宮司でもあるので、戦いが終わった後に今川義元がやってくるのですが、ビビりまくります。大名といきなりあったらビビるだろうなと私も思います。

この作品は主人公が歴史も詳しくないし、化学も詳しくないので、結構失敗もして面白いです。松平元康と徳川家康が結びつかなかったり、戦国時代の内政チートでよく出てくる清酒(澄み酒)も最初は失敗します。そんな主人公だからこそ読んでいて面白いです(少しじれったくなりますが)。

主人公城の改修をする場面があるのですが、その時コンクリートを使って豆腐みたいな城になってしまうのが面白いです。他にも、この時代の人間は蛮族だったと描かれる作品もあるのですが、主人公が競馬場を作って運営したときの蛮族っぷりはすごくて面白かったです。作品の雰囲気としてはコメディ系で、純粋に歴史ものとして楽しむこともできるし、笑える作品でもあります。

弱い主人公が奮闘する話が好きな人にはおすすめです。ぜひ読んでみてください。


【詳細情報】

ジャンル…歴史・時代、伝奇

更新頻度…不定期

文字数…約27万文字

目安読了時間…約9万文字

作品URL…https://kakuyomu.jp/works/16816927862383052596




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