第六話 いざ竜宮城へ
「三百貫もあれば、兵を起こせるのお」
浦島太郎さんの
だがその前に
「そもそも浦島太郎さんって七百年も前の人だったんじゃない? 日本書紀にも出てくるくらいだし。
時代の
「誤解です。ご
私が戻った時の
昔のおなごはすでに
悲嘆にくれる私を
うん、娯楽の少なかったこの時代。
『伝説は本当だった?!』
と
だがもう一つ。なんで
しかも、なんの兵力も持たない少年と、怪しげな僧兵に?
それを聞くと
「ほかの源氏は表立って動けませぬ。(今世の武家の主流)平家では銭(
だって……。
うーん、
「ところで太郎さん、竜宮城へはいかに行くのかの?」
と、クロウ(義経)さん。
「あ――ちょっと待ってっ、ちょっと」
慌てて行く流れになったのを押し留めた。
ううんっ、うんっ、とオレが
「まさかオレたちだけじゃないよね?」
オレと七郎(弁慶)さんを指しながら聞いてみる。
「もちろんでございます。いかなワルレー軍卿に幽閉されたとはいえ、乙姫は女王。女王に味方する軍勢はおりまする」
「どれくらい?」
と聞いたオレに太郎さんは。
「……」
はぁぁぁ……
今回の
B級映画じゃあるまいし、いよいよ不安になってくるんだけど。
クロウ(義経)さんは、呑気に両手を頭の後ろで組んで笑ってる。
「冒険じゃな……現地で兵を
ワクワクした声で、
「要はやるかやらぬかじゃ」
と言い出す始末。
「
とこれまた現金な七郎(弁慶)さん。
「と、ともかく、行くけど救出するかどうかは現地で判断する。それで良いよね?」
と釘を刺すと、太郎さんは
「さればご案内いたしましょう」
とこの機を逃すまいと、さあさあと追い立てられるように案内された庭へついて行く。
「こちらへ」
と
周囲を
なんとも言えない面持ちで見ていると、太郎さんがパンパンッと二回柏手を打った。
するとその巨岩から丸太のような手足が生えて、巨大な頭まで生えてくるじゃないですか?
「亀……?!」
これって陸亀じゃないの?
困惑しかない――のっそりとこちらを見る亀と目が合った。
「乙姫の手の者でございます」
嬉しそうに説明してくれる太郎さん。
どうしろって言うんだ?
七郎(弁慶)とオレが固まっていると、
「離れ離れになるといけません。さ、手をとって」
と差し出す手を取ると七郎(弁慶)の手も反対の手で握る。
「よろしいか? 行きますぞ」
と声がかかると、亀の甲羅が輝き始めた。
「え?! 海亀の背に乗って行くんじゃないの?」
オレの当然の抗議に太郎さんは「アレは作り話ですから」なんて言ってる。
そんな事ぶっちゃけていいのか?! 激しく抗議しようと口を開きかけた時、甲羅がピカリと。
「「うわぁぁっ」」
目の前の風景がグニャリと
明日も7.00に投稿します。宜しくお願いします🙇♀️🙇♀️
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます