第11話 社長と社長夫人
今日はパーティの日、まぁ夜に行くのだが、俺はとても緊張していた。仕事に集中できなくて阪宮に心配されてしまった。我ながら情けないと思ってしまうよ。
「よーし、じゃ、阪宮今日もよろしくなー」
[分かりましたー!]
「それやったら、帰っていいよ。」
[ほ、ほんとですか!? やったー!]
子供みたいに喜ぶ阪宮、まぁ体格とかから子供には見えないんだけど……。無邪気に笑うなんて……そんなに仕事辛かった?まぁ、仕事が楽だとは思ってないけどさ。
「 早く帰ろ。 」
社長室を出た俺はそう言って、なるべく早く家へ向かう、パーティまでは後1時間30分程あるから全然間に合うんだが、万が一の事があったらやばいから余裕を持たせる。
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10〜15分して家についた。
「ただいまー。」
『おかえりなさいっ。』
今日もいつも通り、澪夜が笑顔で俺を迎えてくれた。とっても嬉しい。そして、澪夜をよく見ると化粧を済ませていたのか、いつもより上品に見える、いつも下品って訳じゃないからな!?
「さ、準備しよう。」
『うん、私、あと着替えるだけだよ。』
「そっか。」
俺も今スーツ姿だから、実質準備完了なのだが、
俺は澪夜がドレスを着るのを手伝おうと思う。
『ねぇー、後ろのチャック閉めてー。』
「はいはーい。」
俺は澪夜のドレスの背中のチャックを閉めた。
肌が見えたが、白くてとても綺麗だった。まるで雪原を見ているように、
「さ、行こう。」
『うんっ!』
準備が終わった俺達はパーティの会場に向かう。
移動方法はもちろん車だ、それも俺の運転。
車種はベンツ、カラーは白。親父が俺に残してくれた物の1つがこれだ。
「さ、乗って。」
俺はベンツのドアを丁寧に開け、澪夜の補助をする、ドレス姿じゃ車に乗りにくいからな。
『ありがとっ!』
すると、澪夜はぴょいっと俺の車に乗った、ほんとに社長夫人っていう自覚があるのかと少し心配になってしまう。
「えっと、グランドホテルでだったよな。」
『そーだよ、楽しみっ!』
「だな。」
そうして、俺は車を発進させた。ホテルまでは20分程、すぐに着くから流石に遅刻はしないだろうな。
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「さ、着いた。
会場の入口で待っててくれないか?」
『うん、待ってるね。』
そう言って俺はホテルの地下駐車場に車を置きに行った、澪夜には場所を伝えているし、流石に迷うことは無いと思いたいけどな……。
「よいしょっと。」
俺は車を駐車し終えると、急いで会場へと向かった。
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(※澪夜 視点)
『えと、ここで良いんだよね……?』
私はパーティ会場と思われる場所に着いて、入口で純星を待っていた。すると、
【ご婦人お一人ですか?】
『え? いや、私は……、』
【良かったら一緒に行きませんか?】
私はスーツを身にまとった男に声をかけられた、男は私を一人だと思っているようだった。
そして、優しい声であったが、何だか下心が丸出しな気がしてならなかった。
「……おい、俺の嫁に何してんだ。」
『あ。』
【あ、えと、よ、嫁……?
……な、何でもありませぇぇん!!】
純星が来て、男に話しかけると男は一目散に逃げてしまった。良かった、少し不安だったから純星が来てくれて良かった。
「大丈夫か?何もされてない?」
『うん、大丈夫だよ。』
「そっか、じゃ行こうか。」
そして、私達は会場へ入る、私はまだ少し不安だったから、純星と腕を組むのだった。
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(※純星 視点)
「……広ー。」
『だね。』
俺はパーティというものに参加した覚えがないから、多分初めてのパーティだ。親父はいつも母さんと行っていたから、来ることがなかったんだよ。
《 おー、純星ー!》
「よ、修斗。」
『こ、こんにちは。』
パーティ会場に入ると、俺の親友の修斗が声をかけてくれた。知らない人ばかりだったから助かったよ……。
《えと、そこのご婦人は?》
「あ、俺の嫁。」
『えと、常磐 澪夜と言います。』
《へぇ、良かったな純星、末永くお幸せにな。》
「おう。」
なんだかんだ、昔の友達で1番仲が良いのは修斗ぐらいしかいない、いや、修斗しか居ないの方が正しいか、俺は昔陰キャ過ぎて友達がいなかった。でも、そんな俺にいつも話しかけてくれたのは修斗だ。
《じゃ、パーティ楽しんでなー。》
「ありがとなー。」
『…………。』
俺は修斗にニコッと笑いかけ、澪夜はペコッとお辞儀をした。
パーティはまだ始まったばかり、俺より格上の会社の社長夫妻なんかも沢山いた。今んとこ澪夜に酒は飲ませないつもりだけど、めっちゃ心配だ。
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俺の嫁の価値が500億円な件について 轟木 うるま @SENDAIsaiki0102
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