第24話 菊②
「ーっ。」
「キャキャキャ。やっぱり、占星術師はいいな。何回だって切ることができる。」
「浅右衛門さん。流石に怒られますよ。」
「あぁ?私はいいんだよ。あいつであっても私たちの対象には入ってる。」
浅右衛門は刀を回しながら歩く。そして、少し経つと地面に刀を刺す。
「おいおい、贋作。また刃こぼれか?」
今のところ、
「キャキャキャ。お前だけだよ。私の刀を受け止めることができるのは。」
「それはどうも。」
「柳生も質が落ちた。但馬守だったか?あいつは少しくらいまともだが...刀の質も...。」
浅右衛門は
「キャキャキャ。今回は
「お前に二度目は通じないだろ?一度目は食らってしまう贋作だとしても。」
「...。」
対峙する二人。
手を出すことは死を意味する。
刹那、先に動いたのは浅右衛門のほうであった。
両者、占星術を使用することなく、刀の刃がぶつかり合い...
「「「!?」」」
一人は起きたことに動揺を隠せず
一人はその刀に驚き
一人はその事実から導き出されたその“固有式”に驚いた
「お前、その刀は...。」
浅右衛門の刀は折られ、
「あばよ、“贋作”。生きてたら覚えれてられるかもな。この刀は影打だ。」
「そうかよ...。」
振り下ろされる刀。
だが、
そして、
「降参です。」
「あぁ?」
「浅右衛門さんを死なすわけにはいかないですからね。いくら操られていたとはいえ。」
「つまり、一回目をオレ達に解除させようとした訳か...。」
「はい。つまるところは...。」
「で、誰の指示だ?」
「現一条院家当主
「おいおい、呼び捨てにしてもいいのか?」
「私達、
「...。」
上帝家
有史より以前から日本の占星術世界を取り仕切る一族。しかしながら、平安時代の混乱以降、本家の人間は表舞台から消した。そして、5つのうち3つの分家の持ち回りによって当主代行が務められることに現在はなっている。
三■■
これらが5つの分家であり、三■■と
そして、名門の占星術の家であればあるほど、分家に対して敬意を払わないことが多い。
「しかし、一条院か...。」
「えぇ。それに加えて彼女は“
「...。」
黄昏の扇 モきゅ太郎 @mokyun
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