第23話 閑話②
「略式...。
ラスプーチンは胸に刺さった刀を抜く。
“理想領域”内では基本的にはラスプーチンに都合の悪いことは起こらない。
但し、“理想領域”の維持には相当な霊力を消費するために相手に干渉するだけのことをすればもって10分。
これは、いかなる人物であってもこの時間以内に脳が焼き切れてしまうことを意味する。
「残り、5分といったところです?」
「えぇ。私の“固有式”をもってしても、それが限度でしょう。」
「...。」
「しかし、まあ“陰陽寮”も大概のようですね。」
「?」
明らかな自滅行為。
“理想領域”は自身にとって利益を及ぼすことまたは自身の好みの状況のみが発生する。
つまり、本来であれば“理想領域”は他人の利益に考慮しない。
となると、今回起きるはずの事象は刀を抜くではなく、刀が刺さっていなかったという事象が正しい。人体の疲弊は、脳の処理に直結する。
「いえ、話しすぎましたね。しかしながら、まだ貴女と決着をつけるわけにはいかない。貴女を含めあちらを知る人間に死なれては困るんですよ。」
「...。戻りたいのです?」
「いえ、既に我々はあの
「“不正解”」
右は黒、左は白にきれいに分かれた長い髪、それと逆の右は白、左は黒の瞳を持つ少女。
手の甲の部分に×印の書かれた手袋を付けた手をポケットから出して現れる。
「少なくなったものですね。」
「“不正解”」
「いえ、言葉足らずでしたね。表舞台に上がる“調律者”、“代行者”、“使徒”...。」
次の瞬間、ラスプーチンは吹き飛ばされていた。
この瞬間、“理想領域”の効力がきれたと二人は考えた。
これ以上、ラスプーチンを倒すのに適した機会はない。故に二人はたたみかけようとする。
しかしながら、この二人はあるミスを犯していた。ラスプーチンが吹き飛ばされたのはどちらの攻撃によるものではないということに気づけなかった。
いや、気づくことができなかった。
この吹き飛ばされたという行為がラスプーチンにとって好都合だったということが
「―禁断の
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そして、ふと左手に書かれた五芒星を見つめる。
本来あるべき星の輝きはとうの昔に失われた。
千年の時を経て、人が明かりを灯そうとも、その輝きは戻らない。
人類に、救済は無い。
人間に、猶予はない。
人に、希望は無い。
予言者達の抵抗は虚しく。
原罪は赦されど、人類は12の罪を犯し、人間は人類の12の過ちを“聖剣”という形で贖罪した。
そして、人は神々との争いを避けるために、一二の鍵をもって、門を閉じた。
だが、その延命は人類の命と同じく終わりがくる。
故に神界の扉を開くのである。
全ては...
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投稿遅くなり申し訳ないです。死にかけてました。肺炎で...。いろいろやってたらこれくらいになりました。本当に申し訳ないです。
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