第22話 菊①
この世界には除去システムがある。
もし仮に、命の概念が存在しなければ、この世界は生物で溢れ帰ることになる。
いや、生物という概念も命の概念によって生み出されるものである。
「キャキャキャキャ。」
「まだ、くたっばちゃいねーみたいだな。」
山田浅右衛門
江戸時代の首切り役人とはまた別に存在する名前。占星術師織に反乱者が出た場合、それを処理する人物又は部隊が必ず存在しなければならない。除去システムがなければ、地球がやっていけないのと同じように、占星術組織もやっていけない。
日本の“山田浅右衛門”
フランスの“暗殺の天使”
イギリスの“切り裂き”
中国の“七仙女”
各国に複数存在し、実体は明らかではない。だが、幕末期のように国防にかり出された場合、極東騒乱のように各国が最終兵器として投入した場合といい、彼らによって生み出される損害は計り知れない。
そして、彼らは対人戦闘のプロフェッショナル。
「ちっ...。」
「まじ...?」
浅右衛門の攻撃をよける二人。
占星術師にとって四股の欠損は気になることではないが、治すために霊力と時間を消費する。
その弱点を理解して、それを的確に実行する剣の腕をもっているのが浅右衛門である。
だが、それは一般的な占星術師に対しては有効であるが、
「キャキャキャキャ。想定済みだよ。“死神”。」
「簡易結界か...。ということは...。」
「―略式詠唱―
突如として現れるおかっぱの少女。
(ちっ...。
「っ...。やばすぎでしょ。“術式解放”の詠唱を略式で済ますなんて...。」
深雪は体が上下で真っ二つになる前に自身の“固有式”で少女の刀を固定する。
「
《こはる》。当代の
「あれあれ、せっかちな人は...。と話過ぎました。」
(
「我々は上帝家の指示以外でも動きますよ。“柊”の筆頭でもなければ“九重”の人間でもない。」
「キャキャキャキャ。それ以上は話すなという指示だろう。」
「そうでしたね。」
倉橋家と山田浅右衛門本来であれば
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます