エピローグ
「……」
「彩音さん!」
「おぉ!光!玄翔!無事だったか!良かったよ!」
光達が彩音の元へ帰っくると、彩音はそう言いながら近づいてきた。彩音の体も何も異常は無さそうだ。
「やっと終わったな」
「そうだな!これで戦いは終わった……我々の勝利だ!」
真耶の言葉に玄翔がそう言って目を光らせる。玄翔の魔眼も特に問題は無い。暴走や副作用が出ているわけじゃなさそうだ。
「……モルドレッドはなにか怪我とかしてないか?」
「……したぁ!」
モルドレッドはそう言って真耶に飛びついてきた。そして、しがみつき胸に顔を埋める。
「したから甘やかしてぇ」
そんなことを言ってくる。こんな馬鹿なことが言えてる感じ、怪我などはして無さそうだ。まぁ、一応甘やかしておくが……
「おっと、配信きらないとだな。皆、今日はありがとな。これで配信終了だ」
真耶はそう言って配信を終了した。そして、剣を元に戻そうと、地面に魔法陣を書き始める。
「”元に戻れ”」
真耶は右目に太極図を浮かべながらそう唱えた。すると、魔法陣は光り始め剣は4つに分かれる。
そして、真耶を覆っていた白い光も無くなった。それどころか、真耶達の体がどんどん透け始めた。
「もう時間ぎれだな。そろそろ俺達は帰るよ」
「そうか……もう帰ってしまうのか……」
「そう落ち込むなよ。どうせいつでも来れるんだからさ」
「それもそうだな。でも、もうこんな戦いはしたくないぞ」
「フフ、俺もだよ。今度はバレないように来るよ」
そんなことを言いながら笑い合う。そんな真耶とモルドレッドの体はどんどん透けている。既に足は消えてしまった。
「じゃあな。また、会おうぜ」
「そうだな」
光はそう相槌をうつと、手を差し出した。真耶はそれを見て一瞬考え込むと、すぐにその手を掴む。そして、固い握手をした。
光はそうして微笑む。真耶もこれまで以上に優しい笑顔を見せると、光の粒子となって消えた。
「じゃあね。皆のこと絶対に忘れない!それに、皆が真耶やケイオスと一緒に戦ったことも絶対に忘れないから!」
モルドレッドはそう言って光の粒子となって消えていった。光達はその様子を見て少し悲しい気持ちにもなりながら笑顔を見せた。
「また会おうな」
光は小さくそう呟いた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━……それから5分後……
真耶……いや、ケイオスは目を覚ました。どうやら再び時空間を移動したため主導権が真耶からケイオスへとかわったらしい。
「おはよー」
その時、モルドレッドがそんなことを言いながら飛びついてきた。どうやら先に帰ってきていたらしい。
「先に帰ってたのか」
「もぅ!遅いよ!」
「悪いな」
「許す!」
2人はそんな会話をする。そして、ケイオスはモルドレッドを見て少し考えると頭を撫でた。
「やっぱりお前は可愛いな」
「ふぇ!?も、もぅ!からかわないでよ!ていうか、作戦とか武器の手入れとかやることいっぱい溜まってでしょ!早くやらないと!」
モルドレッドは頬を赤く染めてそんなことを言ってくる。多分恥ずかしいからそれを隠すためにこんなことを言っているのだろう。
光から聞いたのだが、こういう人をツンデレと言うらしい。
「フッ……モルドレッド、仕事にかかるぞ。時間はもうないからな」
ケイオスはそう言って部屋を出ていこうとした。モルドレッドもそれについて行く。
そんな2人には、朝の眩しい陽光がさし、煌めいていた。
モブオタクの異世界戦記番外編 ~最強のヒーローと理の王者~ 五三竜 @Komiryu5353
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます