第1話 ヒヤキハヤメの報告書1(改定版)
彼は、日本の岡山県?というところにある社から出た。
私達を祀る社だ。
彼は、いつものスーツ姿だった。
結局、彼はどこに行っても同じだということだろう。
神の私物の為、汚れることも朽ちることもない。
彼が、地上へ降りてしたことは奉仕活動だった。
海岸のゴミ拾い、街中のゴミ拾い、人助け。
報告できることがない。
もうちょっと詳しく見てみよう。
私は、水鏡の再生をスローにする。
◇
1日目。
社から出た彼は、社の周りの清掃を始めた。
その身なりは、スーツだ。
うーん、これは人間にはそのままで映っているのかな。
彼は、これでも神の1柱。
もしかすると、神主の様に人間には映っているかもしれない。
まあ、私としてはスーツで掃除をする彼を見ているとシュールすぎて笑いが込み上げてくる。
彼は、昔からそうだ。
周りの事なんて気にしない。
そして、黙々と作業をするのが好きで寡黙な人。
だから、勘違いもされる。
彼の良さを知っているのは、私だけでいい。
1日目は、掃き掃除をしていた。と。
◇
2日目。
境内の草むしりをしている。
中腰のまま何時間も何時間も。
彼は、飲まず食わずでも生きてはいける。
だからといって、疲れないわけではない。
2日目は、草むしりをしていた。と。
◇
3日目。
昨日と同じで草むしりをしている。
社は山の頂上に奥の院、中腹に中宮、麓に下宮の3つの社がある。
麓には隠れた温泉があったりする。
今日は、下宮の草むしりをしている。
結局この日も変わらない。
3日目も、草むしりをしていた。と。
◇
4日目・・・私は、ふとおもった。
4日目まで来るのにすでに4時間消費している。
1年間を見るとなると6年くらい経ってしまう。
それでは、本末転倒だろう。
私は、下界に降りる手続きをすることにする。
焔のそばで観察をしよう。
神様の家出 -私がいなくなっても皆さんがいれば問題ないでしょ?- 天風 繋 @amkze
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