第1話 ヒヤキハヤメの報告書1(改定版)

彼は、日本の岡山県?というところにある社から出た。

私達を祀る社だ。

彼は、いつものスーツ姿だった。

結局、彼はどこに行っても同じだということだろう。

神の私物の為、汚れることも朽ちることもない。

彼が、地上へ降りてしたことは奉仕活動だった。

海岸のゴミ拾い、街中のゴミ拾い、人助け。

報告できることがない。

もうちょっと詳しく見てみよう。

私は、水鏡の再生をスローにする。



1日目。

社から出た彼は、社の周りの清掃を始めた。

その身なりは、スーツだ。

うーん、これは人間にはそのままで映っているのかな。

彼は、これでも神の1柱。

もしかすると、神主の様に人間には映っているかもしれない。

まあ、私としてはスーツで掃除をする彼を見ているとシュールすぎて笑いが込み上げてくる。

彼は、昔からそうだ。

周りの事なんて気にしない。

そして、黙々と作業をするのが好きで寡黙な人。

だから、勘違いもされる。

彼の良さを知っているのは、私だけでいい。

1日目は、掃き掃除をしていた。と。



2日目。

境内の草むしりをしている。

中腰のまま何時間も何時間も。

彼は、飲まず食わずでも生きてはいける。

だからといって、疲れないわけではない。

2日目は、草むしりをしていた。と。



3日目。

昨日と同じで草むしりをしている。

社は山の頂上に奥の院、中腹に中宮、麓に下宮の3つの社がある。

麓には隠れた温泉があったりする。

今日は、下宮の草むしりをしている。

結局この日も変わらない。

3日目も、草むしりをしていた。と。



4日目・・・私は、ふとおもった。

4日目まで来るのにすでに4時間消費している。

1年間を見るとなると6年くらい経ってしまう。

それでは、本末転倒だろう。

私は、下界に降りる手続きをすることにする。

焔のそばで観察をしよう。


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神様の家出 -私がいなくなっても皆さんがいれば問題ないでしょ?- 天風 繋 @amkze

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