第4話

 英子は私の手を引いて私を部屋に連れて行った。


「服を選ぶのを手伝ってあげる?それとも自分で選ぶ?」

「…じゃあお願いします、私は服選びが苦手。」


 彼女は何か少し考えた後、微妙な笑顔を見せました。


「好きのところに座っていいよ。」


 私は少し拘束気味にベッドの横に座り、部屋を見回しました。


 英子の部屋は温かくてシンプルで、自分の部屋とは全然違い。壁には彼女の写真作品らしきものが掛けられておる、芸術的なレベルは分からないけれど、私は美しいと思う。


 彼女の本棚には写真集や小説、アルバム、いくつかの装飾品が整然と並んでいて、部屋はアートの雰囲気に満ちている。


 私は本棚に家族のアルバムが少し気になる。なぜなら、この家に他の人が住んでいるの雰囲気はなく、でも勝手に見ることは駄目だろう。


 そして、私は英子のクローゼットを見て、そこに様々なスタイルの服がある。


 私は英子がこれらの服を着た姿を想像する。彼女がワンピースを着ている姿を想像できる。優雅で清新な姿で、彼女の長い髪が肩に軽くかかり、微笑んで日光の下を歩く姿を。それはまるで温かな春の使者のように。


 また、彼女が小動物の柄が入ったトレーナーを着ている姿。元気でかわいらしい様子は、きっと人々に愛されることでしょう。彼女はゆったりとした白いTシャツを着て、デニムのショートパンツと合わせて、夏の日差しの中を自由に走り回る姿。若さの活力を放っている。


 英子のクローゼットには彼女の個性と好みが詰まっていて。彼女は優しく可愛らしい一方で、元気で活発な一面もある。それぞれのスタイルが彼女の独自の魅力を放っている。あれこれの想像が私の心に満たされ、つい微笑んでしまいます。


「陽子、笑顔がやっぱり似合うよ。もっと笑った方がいいよ。」


 英子の声に、私は幻想から現実に戻され、さっきのばか笑いが英子に見られていたことに気づき、恥ずかしくて顔を背ける。


「陽子?なんで顔を背けるの?さあ、私が選んだ服を見てごらんよ。」


 私は彼女の方を見ると、彼女は手にピンクのワンピースを持っていた。上に小花柄が刺繍されていて、とても清新で可愛らしい雰囲気だった。私は少し困惑しましたが、それでもワンピースを受け取った。


「ありがとう、このワンピースはとても可愛いけど、私にはちょっと…」

「あら、可愛いのはいいじゃない。きっと似合うわよ!」


 彼女の真剣な表情を見て、私は頷き、彼女の判断を信じることにした。


 英子はしばらく部屋を出て行った。私は英子のパジャマを脱ぎ捨て、彼女の全身鏡で自分の裸体を見た。不思議な感覚に包まれる。昨日の私が今日の英子の部屋で裸体になるとは思ってもみなかった。


 全身鏡の前で私は裸のまま立ち尽くし、自分の小柄な体と微かに盛り上がった胸を見つめた。こんな私がどんな考えても可愛いくない。


 そして、私は英子のワンピースを着た。着心地は快適で、柔らかい素材だったが、私の無表情と可愛らしいワンピースの対比を見ると、快適さも一気に消え去った。


 鏡の前で私は英子のワンピースを着て自分を何度も見つめなおし、内なる葛藤と不安を感じた。このワンピースは本来可愛いはずなのに、私が着ると魅力を失ってしまったようだ。


 私はやはりこのスタイルを似合わない、自分を嫌悪する気持ちが湧いてきたわ。


 英子がドアを軽く叩き、「どう?陽子、着替えた?」と尋ねる。

「着替えたけど…」


 私は答えるものの、心の中の葛藤を上手く言葉にできず、後半の言葉が出てこない。

 英子は部屋に戻り、私がまだ迷っているのを見て、優しく肩を叩いて声をかけます。


「気に入らないの?」

「ピンク…私にはちょっと合わない。」

「気にしないで。クールなあなたには、ピンクは少し難しいかもしれない。じゃあ、この水色のワンピースはどうかしら?」


 彼女はそう言って、水色のワンピースを手渡して、そして部屋を出て行った。

 私はそれを着替えて、鏡の中の自分を見て微笑まずにはいられなかった。少なくとも、ピンクを着ている時よりはずっと良い感じだ。


「入ってもいいよ」


「その服、とても似合ってるね、陽子。水色はあなたの肌色と雰囲気にぴったりで、このスタイルはあなたの個性をより際立たせると思うよ」

 英子は部屋に戻って私のそばに寄り、認めるような眼差しで言った。


 彼女の褒め言葉に少しだけ自分の姿に気に入り始めた。鏡の前で私と英子は満足そうな表情を見せた。


「陽子、あなたも結構好きなんだね。」


 英子がそう言って、彼女はパジャマを脱いでしまった。私は呆然として、頭の中が真っ白になった。顔が熱くなり、心臓の鼓動も急速になった。


 英子の姿をじっと見つめていると、ブラに包まれた胸、均等な腹部、すべすべの腋、白い四肢が目を離せなくなった。


 彼女が私が着たばかりのピンクのワンピースに着替えた後、ようやく呆けから抜け出した。自分がずっと彼女をじっと見ていたことに気づいて、急いで顔を背け、彼女の目を見ることができなかった。


「ご、ごめん、私は...」


 言葉をまとめることができないまま、もじもじとした態度で詫びようとした。


「どうしたの?陽子、夢中になって見てたの?顔が赤いよ、学校の水泳の授業で着替える時、お互いに何回も見ただよね。」


 彼女の言葉通り、学校の更衣室でクラスメイトの女子同士は何度も見慣れていた。その時は全く気にならなかったのに、なぜ今は...


 心臓が早く鼓動し、彼女に聞こえるかもしれない。


「そんな事があるけど...でも、英子、さっき私が着替えている時、あなたも避けたじゃない...」

「それは私が陽子が照れ屋さんだって分かったからよ。陽子はそれが一番の特徴で、見た目はクールそうに見えるけど、実際は超照れ屋さんで、本当に可愛いわ!」


 言いながら、英子が私の頭を撫でてくれた。


 英子の優しいからかいに、再び顔が熱くなる。頭がぼーっとして、彼女のベッドに顔を埋め、彼女が丁寧に折っていた毛布をかぶり、まるでダチョウのようになった。


 おそらく私の行動はとても愚かだろうし、自分もそう思っている、英子は私が勝手に彼女のベッドと毛布を乱したことを叱らない、代わりに爆笑していた。


「もうーー、英子、ちょっとまともになってよ。」


「ごめんね。でも本当にね、陽子、あなたは本当に可愛いんだよ。私は本気だよ。」


 英子は私の横に座り、背中を撫でてくれる。彼女の手が私の身体に触れると、私はびっくりして全身が震えたけれど、彼女の優しい動作は心地よかった。


 私は英子の体からふわりと香りが漂ってくるのを感じた。

 吸い込むたびに、ベッドや毛布に残る彼女の香りが鼻に抜けて、頭がくらくらしてきた。もうすぐ眠り込んでしまいそう。


 彼女の香りに包まれて、まるで彼女に抱きしめられているような気分だった。どうしてもこの感覚を失いたくなかった。

 だから、私は彼女の被子の中から顔を出さなかった。


 こんなふうに屈服して眠ってしまおう。

 おそらくバカにされるだろうけれど、仕方ない。

 今の私の頭はとてもおかしいだから。

 そんなことを考えながら、私は目を閉じて、すぐに眠りに落ちた。

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濡れる彼女は私の体温に依存している @Non1101

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