序盤ではホラー系ミリタリーアクションかと思いきや、一転して学園ものになり、さらには陰陽師や妖が跳梁するオカルトもの、能力バトル、と息もつかせぬごった煮展開で物語が進んで行きます。
しかしその中で一本筋を貫いているのが、主人公たちの友情と傷を負った過去からの再生ドラマであるため、物語がブレる印象はまったくありません。
そして「過去からの再生」は主人公サイドだけでなく、悪役である敵側にも用意されていて、それが単なる勧善懲悪ではない深みを物語に与えています。
こうした話は下手をすると荒唐無稽で幼稚なものになりがちですが、古今東西の豊富なオカルト知識やミリタリー知識が支えているので、バトルの描写一つ取っても説得力があり、読んでいて手に汗握る場面がいくつもありました。
書籍化されてもおかしくない高水準のエンタメ小説だと思います。面白かったです!