出だしからの「オバケ」の語りが妙にとぼけた感じがあって面白いです。 なぜ人間はオバケより強いのか。足があるから、という観点からそれを語っていく展開が興味深いですし、「オバケ」が格闘技の話を持ち出してくるのも人間臭さとか俗っぽさが滲み出て、ついニヤリとさせられます。 そして、最後のオチ。それまで語られてた伏線が一挙に回収され、「いや、本当に人間こわ!」となるのには脱帽しました。
お話上手のお化けさんで、その語り口を上手いなーと思いながらじっくり読んでいると、オチでスーッと肝を冷やすことができます。聞き手も、このお化けさんの話だから、最後まで聞いていたのかな……
最後でグッと惹きつけるオチがうますぎる小説形式だからすっと入ってくるオチなのも好み