下巻

俺は手紙を読み終えた。

なるほど。そういうことだったんだな。

記憶をすべて思い出した。

俺は仲間たちを目覚めさせるためにここにいるのだ。

世界の状況を見る限り、俺が記憶をなくし、思い出すことは1度や2度じゃない。

なんども忘れ、そしてまた思い出す。

これを繰り返していたのか。

だからか、崩壊した街で家や自販機が綺麗だったのは。

俺は叫びたい気持ちでいっぱいになった。

仲間のために。

体を捨て。ともに歳を重ねることすら捨てたのに。

なかまを記憶にすら残せないなんて。

俺は何のために。

何のために。

かなしい。

なのに涙すらでない。

だけど俺は。

使命を果たさなければならないから。


手紙をおき、写真を持って地下を出る。

自販機を元に戻し、写真を家に戻す。

そして崩壊した街を歩き、元いた部屋に帰ってくる。

俺はそこにあるベットに横になり。

また眠りについた。

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記憶のカケラ ソーマ @souma117

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