one summer day

ハッピーサンタ

one summer day

 薄い毛布の波に潜り込む

 イヤホンから流れた歪んだ音とともに

 さっきまでエアコンを効かせたこの部屋は

 少し寒くて 

 でもこうして包まると気持ちいいのさ


 全てを投げ棄てることが出来た

 生まれて初めての今日

 本当にそうなのかはわからないけど

 昨日までを綴る日記に告げるよ

「ありがとう、俺は付いてるよ」


 空腹かわからない

 食べなくても溜め込み過ぎたかもしれない

 これまでの日々は大団円で終えたのか

 それでもまだ俺は胃腸炎なのか


 信じてなんていない

 でも吐き出すと確かに楽になるんだ

 なんなら偶にだけどワクワクするんだ


 心の隙間を埋めれるなら

 取り敢えず今はこれでいいのかな


 傷の在り方を探す旅

 そこに終わりを告げてくれる何かを

 また俺は探しているんだ


 見慣れた景色でも

 シャワーで流して

 歯を磨いて

 目を閉じれば

 いつでも真っ白


 これから俺は更に逃げ出すよ

 それでも進んでやるよ


 頼った大人が未熟だったことに気付いた

 奴らはまだ自分が立派だと

 幻想の中だけど


 仲良くしようとした

 傷つけられた

 八方美人でも

 やはり陰口は叩かれる


 受けた毒に気付かずに彷徨う心は

 この世界に溢れてる

 振りまく毒に鈍感になり過ぎた僕らは

 気付いた瞬間辛くなるんだな


 心配しなくていいよ

 信じて歩こう

 大丈夫じゃないけど

 大丈夫

 ひとりだけど

 ひとりじゃないよ


 AじゃないBでもない

 わからない

 そのままでいいじゃない

 二元論から抜け出そう


 ここからはLogicじゃなくてMagicで


 全てを投げ棄てることが出来た

 生まれて初めての今日

 本当にそうなのかはわからないけど

 明日からを綴る日記に告げるよ

「ありがとう、俺は付いてるよ」



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