俺の彼女が冷たい

瑠璃

俺の彼女が冷たい

[capture1.小春]

俺の彼女は冷たい。

彼女の名は小春。彼女は物語からやってきたかのような美少女で、誰にでも優しい。本当にいい子だ。

でも最近は、俺に冷たい。俺が近づくと逃げるように去っていく。LINEも返信がずいぶん遅い。1日放置される。

どうしてだろう…俺は彼女に何もしてない、何もしていないのに…。


[capture2.友人]

「本当にあの子は冷たいなぁ…」

「え、なにお前。まだなんかしてんの?」

「なんかとは失礼だなぁ〜。こっちは本気で困ってんのよ」

「ヘェ〜。もしかして、あの子?小春ちゃん?」

「そうそう。はぁ…なんであんなに冷たいんだろ…」

「なるほどねぇ〜。恋煩いってやつぅ〜?いいねぇ〜青春だねぇ〜」

「お前なぁ…。はぁ…」

「あ!」

「なんだよ…」

「もしかしてぇ〜。ため息ばかりついてぇーこんなやつ嫌ダァ‼︎なぁーんて思われちゃったりしてぇ〜」

「…!確かに一理あるぞ…天才だな…湊人‼︎」

「お、おう…。まぁーねぇ〜。俺様は天才だか…」

「こうしちゃいられない…」

「ん?ちょっとぉ〜」

「んじゃ、俺帰るわ!湊人、あとはよろしく!」

「えーちょっとー‼︎ミナト悲しみー」


[capture 3.絶望]

湊人と会話したその次の日…

俺はバイト帰りに小春を見つけた。

「あれ?…なんで?…」

俺は呆然とした…

だって、だって、だってさ…

小春が俺じゃない男と一緒にいるんだよ…

「どうして…なんで…」

俺は納得した。彼女がなぜ、あんなにも冷たいのか…

それは俺じゃない、別の男を愛しているから…好きでいるからだ…

そう納得した瞬間、俺は走り出した。


[capture 4.湊人]

「俺さぁ〜。お前に謝らないといけねぇんだわ〜」

彼は、目を見開いて驚いた。

その目は、絶望?怒り?憎しみ?悲しみ?どんな感情が籠っているのだろうか。

俺からしたら面白いけどねー

「湊人?…なんで?お前が?…」

「俺さぁ〜お前のこと騙してたわ〜でもそんぐらいしなきゃーねぇー」

「湊人‼︎お前のこと信じてたんだぞ…なのになんで…‼︎」

てかこいつ怖くなーい?

「俺もさぁ、お前のこと信じてたんだよねぇー。そんなことするようなやつじゃないってさぁ〜」

「ふざけるなよ……」

こいつなんか、刃物持ってなーい?

相当な重症ちゃんだねー

ま、女の子にカッコイイところ見せちゃおっか〜


[capture 5.真実]

「ねね、湊人くん。相談したいことがあるんだけどいいかな?」

「はぁーい。ん?小春じゃん?どうしたの〜」

私は、湊人くんに困っていることを全部話した。

「ヘェ〜ある人から、頻繁にメッセージきたり、見られたりするとぉ」

「うん、見られるのはまだ我慢できるけど…メッセージ沢山来られると困っちゃって。湊人くんこれ見て」

「うわぁ〜これやばー。『返信遅いね』とか『こんな俺でごめんね』とか。え、なに?束縛系?メンヘラ系?てか、彼氏?あんたに彼氏居たっけ?」

「いや、彼氏じゃないの。てか、彼氏居ないよ…」

「うわぁ〜彼氏じゃないのに彼氏ぽいこと書いてんの?引くんですけどー」

「とりあえず、無視してみたらぁ〜」

私は、彼が言った通りなるべく無視するようにした。

が、逆にあいつからのメッセージの量が増えた気がする。

2日後、湊人くんから

「あんたのヤバいやつどんなんかみたい。それと暇だからあそぼぉ」

と言われたので、遊ぶことになった。

当日、遊んだ帰り道にあいつがきた。刃物を持って。私は恐怖を感じた。まだ、湊人くんが居たからどうにか助かったが、もし一人でこんな状況に直面していたらと想像すると本当に怖い。

あの後、彼は、警察に連れて行かれた。湊人くん曰く、もう会わないだろうと。

私は、一安心した。湊人くんに感謝し、もう2度とこんな目にあいませんようにと願った。




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俺の彼女が冷たい 瑠璃 @rin2872

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