エピローグ

 昨日まで、詩織のことは友達だと思っていた。


 いや、多分、そういうことにしようとしていたんだと思う。


 高校1年生の時、私は友達を友達として見られなかった。恋愛対象としてみてしまった。そのせいで、友達という関係さえも失ってしまった。


 高校2年生になって新しく東雲詩織という友達ができた。

 

 だから、今度は失わないように、無くさないように、願いを込めて短冊に書いた。


 だけど、やっぱり私は女の子を好きになるようで、詩織のことも無意識のうちに惹かれていたんだと思う。


 11時、駅前で待ち合わせ。


 彼女との初めてのデートの約束の時間は迫っている。


 洗面台の鏡を見て、身だしなみを整える。

 彼女の前では可愛い自分でありたい。

 自然とそう思っている自分に気づいて笑ってしまう。

 この気持ちは間違いない。恋だ。


 友達じゃない、好きな人として彼女を見ている。


 あの時の告白の返事はもう決まっている。


 玄関を開け、待ち合わせ場所にスキップで向かった。

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私と彼女の約束ごと 昴間 昂 @subaruma_kou

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