第4話 異世界の違和感。

 「ユウリ様、失礼致します」


 わたしは給仕の女性に大浴場まで案内されると、そのまま、わたしが着ている純白のドレスを脱がしにかかる。

 どうやら彼女は、わたしの身の回りの世話をしてくれる侍女……メイドさんということだろう。


 年齢は15歳くらいかな? 服の上からでもわかるそのふくらみはたいそう発育が良い。


 わたしはメイドさんに素っ裸にされると、メイドさんも服を脱ぎだす。が、白いエプロンドレスをとりさり、濃紺のワンピースを脱ぐと、


「さあ、まいりましょう!」


 と、下着姿のまま湯船へと向かっていく。


「え? あなたも一緒に入らないの?」


 私が気になったことを質問すると、メイドの少女はキョトンとした顔をする。


「あなた、お名前は?」

「えっと、サラ……です」

「サラ、一緒にお風呂に入るわよ!」

「そんな……使用人が主人とだなんて……」

「大浴場なんでしょ? 一緒に入った方がたのしいじゃない!」


 本音は自分ひとりだけ裸に成るのが恥ずかしいってことなのだけど。

 わたしは、恥ずかしがるメイドの少女のロングスリップとドロワーズをなかば強引にはぎとると、湯触へと引っ張り込む。


「うわあ! すごい!!」


 10人はゆうに入れる浴槽に、ライオンの口からとうとうとお湯が流れ出ている。しかも露天風呂だ!


 わたしはかけ湯をすると、湯船にザブンと飛び込んで思い切り手足を伸ばすと、観念したのか、サラもしずしずと湯船に身体をひたす。


「サラは何歳?」

「えっと15です」

「えええ! 15から働いてるの?」

「このお屋敷にきたのは13です」


 ……13……わたしが学校の勉強そっちのけで、占いの沼にはまったときじゃないか。

 わたしは、改めて自分がもといた世界との違いを痛感する。

 本当になにもかも違う異世界に、わたしはたったひとりで紛れ込んでしまったのだ。


「はあ……」


 わたしは思わず天をあおぐ。

 澄み切った空に満点の星空がひろがっている。


 わたしは、いつものように、北斗七星をさがして、柄杓の先端から北極星をさがしだす。そしてそのまま首を動かしてW型のカシオペヤ座をながめる。


 おちつく。わたしはやっぱり星を見ている時間が一番好きだ。

 規則正しく巡る星に神秘を覚えて、幾千年の時をへて人は占星術をあみだした。

 占星術は、人類の叡智のかたまりだ。もっとも今は天文学と引き剥がされて、非科学的な占いにしかつかわれなくなったけど。


 と、ここまで考えをめぐらせて、わたしはようやく違和感に気づく。


 ここ、異世界だよね?

 なんで星の配置が地球と寸分違わずそっくりなの!!??

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巫女として異世界召喚されました。趣味の占いが的中しまくりの自分が怖いです。 かなたろー @kanataro_

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