第49話
~ 後日談 ~
延命は、警察から指導、厳重注意、という名のお叱りを受けたが、特に罪には問われなかった。
スズランの毒の入った水を用意した緑子だが、緑川夫妻の願いで、あの場にいた者の心に留めるだけととなった。
おそらくは桜子が分かって飲んだのだろうということと、しかも毒を強化して飲んだ可能性が高い、と推測されたということが大きい。
また、皆が、それを望むだけの、緑子への信頼も後押ししたのだろう。
緑川夫妻の熱望で、品川緑子は緑川緑子となった。
ともに、桜子の思い出を語り合うことで彼女を弔おうと夫妻が熱心に口説いたのだという。
また、桜子の日記が残されていて、緑子を養子に迎えることを両親に打診された際、彼女が本当に喜んでいた、ということが分かったというのも大きい。
霧隠才庫は亡き桜子と緑子の共有ペンネームだと公表され、緑子は霧隠才庫として、マスコミ等には出ることなく活動している。
そして、演劇部のコンクール。
それは霧隠才庫脚本の大正浪漫として、全国大会を制した。
その舞台上には、二人の田宮が好演し、その親たちの成果とともに、話題になっているとかいないとか。
舞台の上には、空間いっぱいの白や薄桃色の花が、微笑んでいた。
~ 完 ~
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
このお話は、{東京創元社×カクヨム 学園ミステリ大賞}応募作として書き下ろしたものです。
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また、このお話以外にも、いろんなジャンルのいくつかのお話を書いております。
良かったら、そちらもご覧ください。
ミステリーだと、昨年{横溝正史ミステリ&ホラー大賞}で一次予選を通過した『耽偵奇憶館(たんていきおくのやかた)でございます』(https://kakuyomu.jp/works/16817139557324683936)
等もありますので、よろしくお願いします。
お嬢様ラノベ作家が亡くなったようです 平行宇宙 @sola-h
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